2月29日、ゲルギエフ指揮東京交響楽団による復興音楽祭〜東日本大震災復興支援〜を聴きにオーチャードホールに行ってきた。
【曲目】
ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
プロコフィエフ:交響曲第1番 ニ長調 作品25 「古典交響曲」
シューベルト:交響曲第8番 ロ短調 D.758 「未完成」
encole
チャイコフスキー:花のワルツ〜「くるみ割り人形」より
ゲルギエフが
約束を果たしてくれた。それにしても、LSO(ロンドン交響楽団)を率いて、前日まで(2月28日)はソウル、翌日から(3月1日)は北京でのコンサートツアーのさなかに、設定していた休息日を返上しての公演であろう。ゲルには本当に感謝します。ありがとう。
「東日本大震災復興支援」を掲げたコンサートだけに、ホワイエに置かれた寄付金箱に1000円札が山になっていた。馴染みの食品メーカーからも多大な協賛金が提供されたのだろう。ゲル、あなたのおかげです。ありがとう。
プログラムは有名な曲目ばかりだったが、この選曲は、リハーサルにわずかな時間しかさけないという事情もあったのだろうし、被災地からの招待客(子どもを含む)への配慮ということもあったのだろう。いずれにせよ、お気に入りの曲ばかりで私は大満足であった。
2階席の私の席の前列は、見るからに被災地から招待された母と小学生の息子だった。子どもは音楽に夢中になると、オーケストラを見よう前のめりになり、立ってしまう。それをいちいちお母さんがとがめて、すわらせようとする。そんなことを何回か繰り返すことによって、子どもは音楽への関心を断たれて、そわそわしはじめた。至福の音楽が最悪の苦痛となった瞬間かもしれない。
クラシックにはなじみの薄い招待客が多かった割には、聴衆のマナーや拍手のタイミングは良かった。それだけに、前列の子どものクラシック初体験がどのようなものだったのかが気になる。