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2020.03.24 Tuesday
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第13場 ハレルヤ!
中世の街の広場。
葬列が教会に近づいている。大審問官は離れたところに立っている。祈りを捧げる子供の聖歌隊の声が聞こえる。
ミーチャの声も聞こえる。「殺したいと思った。身に覚えがある。」
男性の声。 「引退した名ばかり顧問の殺人事件の裁判が始まる」
放浪者は広場の中央に現れる。人々は彼が誰か分かっている。彼は静かな同情の微笑をうかべ、教会の入口に向かっていく。死んだ少女の母親は、子供を生き返らせてほしいと願って、彼の足下にひれ伏す。
要約:ユーリー・ディミトリン
第12場 銅の杵
グルーシェニカの家。
マリア・コンドラティエワが断ったのに、ミーチャは家に押し入った。「彼女はどこにいるのだ?」「旦那さま、私は存じません。」「グルーシェニカが老人のところに行ったのなら、奴をハエのようにたたき殺してやるぞ!」
ミーチャは各部屋のドアを開けると、元に戻り、テーブルの上の乳鉢から杵をつかんで、走って出て行く。
要約:ユーリー・ディミトリン
第10場 モークロエからの馬車
グルーシェニカの邸宅。
美しく着飾ったグルーシェニカは、彼女の昔の恋人で、よりを戻しにきた官吏を心配そうに待っている。
ドアがノックされた。マリア・コンドラティエワがアリョーシャを連れて部屋に入ってきたが、彼はミーチャを探してここに来たのである。グルーシェニカは口で言い表せないほどこの訪問を喜んだ。アリョーシャをテーブル席に座らせ、シャンパンを勧め、彼の膝にのった。「アリョーシャ、今日は私にとって特別な日なの。私の官吏、そう私を苦しめた人が来るの。たぶん、今日、私は彼にナイフを向けるわ。ねぇ教えて、私、彼を愛しているのかしら?」
モークロエから馬車が到着し、マリア・コンドラティエワはあわてて手紙をもってきた。グルーシェニカは大急ぎで手紙をとると、「彼がやってきて、口笛で私を呼んだら、私は打たれた犬のように彼のところへ這っていくわ! グルーシェニカは新しい生活に向かって飛ぶのよ」
要約:ユーリー・ディミトリン
第9場 苦さの中に甘さがある! (フョードル・パーヴロヴィチの独白)
フョードル・パーヴロヴィチが一人でいる。「いや、いとしいミーチャ ・フヨードロヴィッチ。 1ルーブルだって渡すものか。わしはあと20年くらい生きたいと思う。わしは邪悪な人間になってやる。それには金が要るのだ。苦さの中に甘さがある! 苦さの中に甘さがある!」
要約:ユーリー・ディミトリン
第8場 知識人と話すのは面白い
ギターをもったスメルジャコフとマリア・コンドラティエワはフョードル・パーヴロヴィチの家の前のベンチに腰掛けている。スメルジャコフは感情を込めて「どんなに苦労しても、都に行って生活を楽しもう!」と歌う。
そこにイワンが現れる。マリア・コンドラティエワはそそくさと立ち去る。
「どうして、あなたは出発しないのですか?」とスメルジャコフはイワンに尋ねる。イワンは意味がわからず「なぜ私に出発した方がいいというのだ?」「出発させたい訳が何かでしょう?」「出発させたい訳が何だというのだ? おまえは変なことをいう奴だ」
シルクハットをかぶった悪魔はベンチから立ち上がる。その瞬間、イワンのまなざしは悪魔にくぎづけになる。悪魔はあざけり笑い、顔を赤くする。イワンはすぐに出発する。スメルジャコフは悪魔に言う。「知識人と話すのは面白いですね。」
要約:ユーリー・ディミトリン
第7場 客間での苦悩
カテリーナ・イヴァーノヴナと地主のホフラコーワ、イワンは、ホフラコーワ邸にいる。そこにアリョーシャが入ってくる。
カテリーナ・イヴァーノヴナは、昨日受けとったミーチャが酔って書いた手紙について彼に言う。「彼がそんな…生き物と結婚するのなら、私は彼をあきらめます! 彼が不幸せになったら、その時彼が私のところに戻ればいいの。」とカテリーナ・イヴァーノヴナは決意を語る。
「他の誰も間違うことがありうるが、あなたは正しい。」とイワンは同意する。「アリョーシャ、カテリーナ・イヴァーノヴナは決して私を愛していなかった! 彼女は、ミーチャの侮辱に対し復讐しようとしただけなのだ。でも、お分かりですね、カテリーナ・イヴァーノヴナ、あなたの信頼の大きさを彼によく考えてもらう必要があります。さようなら!」
カテリーナ・イヴァーノヴナの住まいを出たイワンの方に向かって、イワンと同じような服を着た元気な者(悪魔)がいた。まもなくイワンにお辞儀をし、シルクハットをとって、小さな姿をさらけだした。
要約:ユーリー・ディミトリン
第6場 コニャックを飲んで
フョードル・パーヴロヴィチの家。
使用人グリゴーリーとスメルジャコフは彼らの主人の世話をするが、主人は息子のイワンと一緒に昼食を終え、コーヒーを飲んでいる。
アリョーシャが現れる。
信仰についての議論が始まる。フョードル・パーヴロヴィチが聞く。「イワン、教えてくれ。神は存在するのか?」「いいえ、存在しません。」「アリョーシャ、神は存在するのか?」「はい、存在します。」フョードル・パーヴロヴィチが聞く。「では永遠の生命というものは存在するのか?」イワンは答える。「永遠の生命は存在しません。」
玄関先の方から騒々しい物音や甲高い声がして、ミーチャが部屋に入ってきた。「彼女をどこに隠した! 彼女がこの家に来るところを私は見たのだ!」ミーチャは、グルーシェニカを探して、他の部屋にも押し入る。情熱で震え、フョードル・パーヴロヴィチは彼のあとを追う。「グルーシェニカがここにいるって?」 彼は肯定的に答える。
元の部屋に戻り、ミーチャは老人の髪をつかみ、体を床に投げつけ、激しくなぐった。弟たちは兄を引き離した。イワンは大声でどなる。「気でも狂ったのか! 殺すところだぞ!」 「殺しはしない。でもまた殺しに来るからな。」血まみれの父親に対し「おまえを呪う。おまえとは縁を切るからな。」と言いながら、ミーチャは立ち去る。
フョードル・パーヴロヴィチはアリョーシャにいう。「アリョーシャ、わしはイワンが恐ろしい。他の何よりもイワンが恐ろしい。」
要約:ユーリー・ディミトリン
第4場 二人はともに
アリョーシャはカテリーナ・イヴァーノヴナを訪ね、ミーチャとの関係がこじれたことや、彼女の金を兄がグルーシェニカと飲み騒ぐことに使ってしまったことを彼女に伝えた。
驚いたことに、カテリーナ・イヴァーノヴナは隣の部屋からグルーシェニカを連れてきて、二人は決してライバルではないと言った。
グルーシェニカはある官吏と長い間恋人であったが、その男は彼女を捨てて別の女と結婚した。ところが、男は再び独身となり、彼女によりを戻しにきた。
二人の婦人は、アリョーシャをはさんで、あらゆる方法を使って、それぞれが感じていることを互いに説明した。
感謝の気持ちから、カテリーナ・イヴァーノヴナはグルーシェニカの手にキスさえした。彼女も同様に応えるつもりであるかのように思えた。
だが、突然の嘲笑とともに、彼女はカテリーナ・イヴァーノヴナの全てを否定する。「あなたったら、なんて上品な方なのかしらね。私、あやうくあなたの手を取るところでしたわ。こんなこと、ミーチャに話したら、彼、どんなにおかしがるかしら。」
カテリーナ・イヴァーノヴナは激怒する。グルーシェニカは笑いながら立ち去る。カテリーナ・イヴァーノヴナは、泣きながら痙攣し、耐えている。
要約:ユーリー・ディミトリン