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第32回木曽音楽祭

 8月25日と26日、木曽文化公園文化ホールで開かれた第32回木曽音楽祭で、室内楽を聴いてきました。
第32回木曽音楽祭
 木曽音楽祭は、ゆふいん音楽祭と並んで、日本で最も長い歴史をもったクラシックの音楽祭です。国内トップクラスのアーチストが、木曽駒高原の素晴らしい環境に集まり、ソロではなく、室内楽を聴かせ、演目も珍しい曲が多いことが特徴です。
《8月25日の曲目リスト》
01 - モーツァルト 協奏交響曲 変ホ長調 K.297b(木管九重奏版)
 オーボエ:古部賢一・森枝繭子、クラリネット:山本正治・金子平、ファゴット:吉田将・岡本正之、ホルン:松崎裕・山本眞、コントラバス:星秀樹
02 - フォーレ ピアノ四重奏曲 第1番 ハ短調 作品15
 ヴァイオリン:加藤知子、ヴィオラ:菅沼準二、チェロ:山崎伸子、ピアノ:若林顕
03 - ショーソン ヴァイオリン、ピアノと弦楽四重奏のためのコンセール ニ長調 作品21
 ヴァイオリン:久保陽子、ピアノ:寺嶋陸也、ヴァイオリン:川田知子・井上静香、ヴィオラ:市坪俊彦、チェロ:門脇大樹

 この日の曲では、フォーレのピアノ四重奏曲が、楽章によって曲の趣きが大きく変化し、おしゃれで面白い曲でした。山崎伸子さんのチェロと若林顕さんのピアノがとても躍動的で、良かったです。

《8月26日の曲目リスト》
01 - モーツァルト コンチェルタンテ(原曲:ピアノと管楽器のための五重奏曲 変ホ長調 K.452)
 ヴァイオリン:漆原啓子、ヴィオラ:鈴木康浩、チェロ:門脇大樹、コントラバス:星秀樹、オーボエ:古部賢一、クラリネット:山本正治、ファゴット:岡本正之、ホルン:松崎裕
02 - シューマン 弦楽四重奏曲 第3番 イ長調 作品41-3
 ヴァイオリン:漆原啓子・井上静香、ヴィオラ:市坪俊彦、チェロ:花崎薫
03 - ニーノ・ロータ フルート、ヴァイオリン、ピアノのための三重奏曲
 フルート:佐久間由美子、ヴァイオリン:川田知子、ピアノ:寺嶋陸也 
04 - ショスタコーヴィチ ピアノ五重奏曲 ト短調 作品57
 ヴァイオリン:加藤知子・井上静香、ヴィオラ:鈴木康浩、チェロ:山崎伸子、ピアノ:若林顕

 ニーノ・ロータは、「ゴッドファーザー」や「ロミオとジュリエット」など映画音楽で有名な作曲家ですが、もともとはクラシック系の作曲家で交響曲や協奏曲、オペラなどを作っているそうです。ロータ風の叙情的な旋律をフルート、ヴァイオリン、ピアノの三重奏曲の中に見つけようとしましたが、正統的なクラシック曲でした。
 私が聴いた2日間を通してのベストは、ショスタコーヴィチのピアノ五重奏曲です。目をつぶってクラシックを聴いていると、夢のような映像が浮かぶことがあります。この曲で現れたのは、ゴシック様式の教会のような建物。ぼんやりとした絵ですが、よくみると角がみんな丸くなっていて、妙に可愛いのです。ショスタコーヴィチは、一見ソビエトの体制を賛美するかのような厳粛で重厚な曲を装いながら、その裏に密かに反体制的なメッセージを忍ばせたそうですが、それがあの丸いゴシック建築を想起させたのでしょうか。

 木曽音楽祭で印象的なのは、大勢のボランティアが裏方を支えていることでした。小さな町で、これほど大規模なイベントを長続きさせているのは、本当に大変な努力によるものと思います。毎年とはいかないでしょうが、ぜひまた行きたいと思います。
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まいじょ * 音楽 * 16:31 * comments(0) * trackbacks(0)

Jobim My Love 38th

 今日、8月20日の日曜日は、新大久保「Space DO」で上田力とナンダ・ノヴァの「Jobim My Love」38thを聴いてきました。

Jobim My Love - Act 38 -

 前回に続き、私にとっては2回目となりますが、会場は満席で女性客が多かったです。

 パーソネルは、上田力(key)、池田雅明(trombone)、松崎義一郎(fagot)、古屋栄悦(b)、吉田和雄(ds, perc)、黒沢綾(vo)。

《曲目リスト》
01 - Samba de Aviao 《Tom Jobim & Banda Nova》
02 - Aguas de Marco 《Tom Jobim & Banda Nova》
03 - Chovendo na Roseira
04 - Falando De Amor
05 - So Tinha De Ser Com Voce
06 - Stone Flower
07 - Desafinado
08 - Pato Preto
09 - Samba de Uma Nota So
10 - Medley (Vivo Sonhando ~ Triste ~ Favela - O Morro Nao Tem Vez)
11 - Piano Na Mangueira
12 - Jobim My Love
encore - Antonio's Song


 今回の特徴ですが、最初の2曲は、1986年8月2日の日比谷野外音楽堂での《Tom Jobim & Banda Nova》ライブの模様がVTRで流されました。トムの来日20周年を記念しての趣向のようですが、はっきりいって面白くありませんでした。みんな上田力とナンダ・ノヴァのライブを聴きに来ているのですから、映像だけ流すか、せめて1曲だけで十分でした。

 選曲は、前回との重複がアンコールも含めて、11曲中4曲。CDとはもちろん、前回とも微妙にアレンジを変えているようでした。

 ヴォーカルの黒沢綾さんは、今回は大部分が抑え気味のスキャットで、とても良かったです。人間の声が最高の楽器であるとあらためて感じさせてくれました。今日はときおりメンバーに微笑むところがありましたが、笑うと可愛いんだから、客に対しても笑顔を向けるといいのに、と思いました。

 上田さんの編曲・ピアノは相変わらず、最高でした。ただ、語りで「マンゲイラ」というつもりで「エスコーラ」と繰り返していましたね。「Piano Na Mangueira」での吉田さんと古屋さんのかけあいは、迫力満点でした。そういえば、吉田さんは、明日から53回目のブラジルに行かれるとか。お仕事でしょうけど、うらやましいですね。

 次回ライブは、トムの命日に合わせて、12月8日の予定です。

まいじょ * 音楽 * 21:38 * comments(0) * trackbacks(0)

ワン、ツー、スリー/ラブハント作戦

 1961年、ベルリンの壁ができた同じ年に作られた映画で、ビリー・ワイルダー監督がベルリンを舞台に、米ソの冷戦を徹底的に茶化した映画です。

ワン、ツー、スリー

 名優ジェームズ・キャグニーが演ずるのは、コカコーラ社の西ベルリン支社長。運に恵まれず今の地位に甘んじていますが、ソビエトへの販路拡大で出世を狙ったり、家族をバカンス旅行に出して鬼のいぬ間に秘書と浮気をしようと企んだり、まったく抜け目がなくエネルギッシュな男です。

 そんなある日、キャグニーは、本社の社長から突然娘をしばらく自宅で預かってくれとお目付け役を命じられ、家族のバカンスも秘書との浮気もパーになります。それからが大騒ぎ、娘は監視の目をすり抜けて、東ベルリンの若者に一目惚れして無断で結婚までしてしまいました。キャグニーは、二人を別れさせるために陰謀を計るかと思えば、娘が妊娠していることが判ると、一転して二人を結びつけようと大作戦を展開します。

 アメリカとソビエト、資本主義と共産主義の対立を皮肉るギャグの連続ですが、全編を通して重要な小道具となるのが、風船。東ベルリンのデモ行進では、「ヤンキー・ゴー・ホーム」と書かれた風船があげられたのですが、ワイルダー監督は、物語の随所にこの風船を登場させ、笑いのタネにしています。
風船1 風船2 風船3 風船4

 音楽は、アンドレ・プレヴィン(ピアニスト・指揮者)。ハチャトリアンやワーグナーの曲をとても効果的に使っています。おかしかったのは、レストランの楽団がロシア人に「ロックをやってくれ」といわれて、演奏したのが「剣の舞」だったこと。また、気を失った社長の娘を診察に来たドイツ人の医者が、「シュヴァンガー(妊娠)」を英語に訳せず困っていると、おませな子供たちが意味を教えてあげたのですが、この医者は急患で呼ばれたために「ワルキューレ」の第一幕を見そびれていました。そのため、医者は心ここにあらずで、帰り際には「ワルキューレ」のメロディで高らかに「妊娠はシュヴァンガー!」と歌って帰って行きました。

 この映画が作られた1961年は、ガガーリンが初めて宇宙を飛んだ年でもあり、宇宙開発やミサイル開発の競争では、ソビエトがアメリカに対し圧倒的に優位に立っていました。ロシア人のセリフです。
「ミサイル科学は、ソビエトがアメリカに勝っている分野だ。アメリカは発射に失敗すれば特別ボタンでミサイルを爆破する。でもソビエトではボタンが2つある。ミサイルと科学者を両方爆破するのだ」

 昨日までの4日連続でNHKでやっていた英・BBC製作のドラマ「宇宙へ〜冷戦と二人の天才〜」で描かれた米ソの熾烈な宇宙開発競争の状況をみると、あながちジョークでもなさそうです。

 とにかく、この映画はあまりにもたくさんギャグが詰まっているので、一度観ただけではなかなか全部笑うことができません。
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まいじょ * 映画 * 23:07 * comments(0) * trackbacks(0)

皇帝円舞曲

 舞台は、20世紀はじめ、ヨーゼフ帝時代のオーストリア。アメリカ人の蓄音機のセールスマン役のビング・クロスビーとオーストリアの伯爵令嬢役のジョーン・フォンテーンが、身分違いの恋に落ちるというミュージカル・コメディです。二人が知り合うきっかけは、クロスビーの愛犬(ブチのフォックス・テリア)とフォンテーンの愛犬(黒のフレンチ・プードル)のじゃれ合いでした。

HIS MASTER'S VOICE

 なぜ主人公が蓄音機のセールスマンで、そこに犬が出てくるかというと、ビリー・ワイルダー監督が上のシーンを取りたかっただけでしょう。もちろん日本ではビクターの、アメリカではRCAのトレードマークとして知られる蓄音機に耳を傾ける犬の図です。


 ワイルダー監督がテクニカラーで撮影した第一作です。当時のカラー技術を疑問視していた監督は、四千本のひな菊に青い塗料を上塗りし、通りは黄土色に塗って撮影に臨んだというエピソードが残されています。

 主人公の二人は単に身分の違いというだけでなく、新興のアメリカのビジネスマンと没落しつつあるヨーロッパの貴族という構図で、それだけで面白いドラマになりそうですが、ついに盛り上がりませんでした。

 ワイルダー監督も、この作品については多くを語ろうとしません。
「あの映画にはいいところは何もなかった。何やら場当たり的に撮っていたような映画だった。」
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まいじょ * 映画 * 23:59 * comments(0) * trackbacks(1)
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