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Nara Leão - Garota de Ipanema

 Nara Leãoの「Garota de Ipanema」です。
Nara Leão - Garota de Ipanema
 Nara Leãoは、「Bossa Novaの女神(ミューズ)」と呼ばれ、日本で大変人気のある女性歌手です。Nara Leãoの歌声は、BGMで聴くにはちょうどいいのですが、じっくり聴くにはちょっと単調でもの足りなさも感じます。

 このアルバムは日本録音盤で、選曲はAntonio Carlos Jobimの作品を中心にBossa Novaのスタンダード集となっています。ギターにRoberto Menescalが参加。
JUGEMテーマ:Bossa Nova


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まいじょ * 音楽 * 23:24 * comments(0) * trackbacks(0)

恋人たち

 ルイ・マル監督の第二作で、「死刑台のエレベーター」に引き続きジャンヌ・モローが主演します。
恋人たち
 不倫をしている上流階級の人妻が、ある日若者と出会い、情熱的な一夜を過ごしたあと家出するというストーリーです。公開当時は、スキャンダラスな作品として問題となり、アメリカでは上映禁止となった州もあったそうです。今観ると、ストーリーも性描写もまったくおとなしいものですけどね。

 最後の30分ほどは、月明かりだけを頼りにした真っ暗なシーンが続きますが、これがかえって想像力をかきたてるのかもしれません。夜のシーンをこんなに暗く、ロング・テイクで撮った作品はほかにないかもしれません。

 ジャンヌという役名のヒロインは、新しい恋人と共に旅立ち、モーニングコーヒーを求めてカフェに立ち寄りますが、そこには本当にペシミスティックな雰囲気が漂っています。
「この先うまくいくかどうかは分からない。しかし、それでもこうするのだ」
JUGEMテーマ:名画


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まいじょ * 映画 * 08:35 * comments(1) * trackbacks(2)

死刑台のエレベーター

 ルイ・マル監督の実質的なデビュー作で、25歳にして天賦の才能が随所に現れています。

 音楽を担当したのは、マイルス・デイヴィス。映画のラッシュを観ながら、すべて即興で音楽がつけられたといいます。
 ルイ・マルは認めます。
「マイルス・デイヴィスの音楽なしでは、批評家そして観客から受けたあの熱烈な反応は絶対に得られなかったと思う」(『マル・オン・マル』)

自殺を偽装する殺人者

 冒頭、スクリーンからはみ出るようなジャンヌ・モローの顔のアップが映り、その口から恐ろしいセリフが出てきます。
「もう耐えられない。愛してる。だから(夫殺しを)やるのよ。愛してる。離れないわ」

 社長夫人のジャンヌ・モローと、夫が経営する軍需品製造会社に勤めるモーリス・ロネは愛人関係にあります。二人にとって邪魔者となった社長を自殺とみせて殺害する完全犯罪を企てたのです。

 ロネは、退役軍人で、英雄でした。彼に銃をつきつけられた社長は、「怖くはない」と虚勢を張ります。
「君にはやれんよ。ここは戦場ではない」
「戦争を馬鹿にするな。メシの種だろ。インドシナで儲け、今度はアルジェリア。戦争に感謝しな。おかげでお家安泰だ」
「私の拳銃? 誰からそれを?」

 この時、社長は共犯者が妻であることを悟ったのでしょう。でも場面は切り替わって、次に戻ったときには社長は死んでいました。そのとき、一瞬だけベランダの手すりを歩く黒猫がうつります。場面転回の妙といえます。

 犯行後、ロネがエレベーターに閉じ込められたことがきっかけで、完全犯罪は崩れていきます。

 共犯者を救うためにモローは奔走します。最後、愛人関係=共犯を裏付ける幸せそうな二人が写った写真が、警察の手で現像され、少しずつ現れてくるシーンなど最高の演出です。定着液につかった写真をいとおしくなでるモローの指が、とてもせつないです。
死刑台のエレベーター
 そういえば、ジャンヌ・モローとモーリス・ロネが二人でいる姿は一度も登場しないのです。それも何だかせつないですね。
JUGEMテーマ:名画


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まいじょ * 映画 * 18:42 * comments(6) * trackbacks(9)

めぐり逢えたら

 「めぐり逢い」の名場面や有名なセリフ、音楽などを随所にちりばめたこの映画、邦題を「めぐり逢えたら」にしたのは、近年まれにみる大ヒットといえるでしょう。
めぐり逢えたら
 私は「めぐり逢えたら」を観てから「めぐり逢い」を観ましたが、本当は、「めぐり逢い」を観てからこの映画を観た方が面白さが倍増すると思います。

 トム・ハンクスメグ・ライアン、これも名コンビです。

 「シアトルの眠れぬ男」ハンクスが、ラジオ番組からの質問に答えて、亡くなった妻の思い出を語るところです。
「本当に誰かを愛した人は愛情豊かなのよ。奥さんと同じに愛せるのでは?」
「そんな事、想像もできない」
「じゃ、どうするの?」
「毎日朝になったら起きて、1日中呼吸をする。そのうち努力しなくても、毎朝ベッドを出て呼吸し続けるようになる。やがて幸せな日々があった事をあまり思い出さなくなる。」
「奥さんにはどんな魅力が?」
「番組は何時間? いろいろあって、とても短時間には言えない。僕らは一緒にいるべき運命だった」

 ここも涙を誘うところですね。
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まいじょ * 映画 * 00:37 * comments(5) * trackbacks(6)

めぐり逢い

 映画「めぐり逢えたら」で、劇中、テレビでやっていたこの映画を女性陣が涙を流しながら観ているのをみて、おかしくてしかたありませんでした。

 メロドラマといえば、「哀愁」が1940年で、舞台はウォータールー橋。「君の名は」がラジオが1952年、映画が1953年で、舞台は数寄屋橋。この「めぐり逢い」が1957年で、舞台はエンパイア・ステート・ビル。時間や空間を超えて、万国共通、女性というのは、本当にメロドラマに弱いのですね。

祖母の家
 それぞれ婚約者のいる独身の男と女が、豪華客船で出会います。男は、ケーリー・グラント(撮影当時52歳くらい)が演ずるプレイボーイ。顔と家柄はいいけど、これといった仕事もせずに、金目当てに女から女へ渡りあるく、ひどい男です。女は、デボラ・カー(同35歳くらい)が演ずる元ジャズ歌手で、金持ちのパトロンのおかげで贅沢な暮らしになじんでいます。

 互いに惹かれつつも、それぞれ婚約者がいることや世間の目もあって、ある一線を超えることができません。そんな二人が、相手のことを本気で思うようになったのは、ナポリに寄港したとき、男のおばあちゃんの家に二人で立ち寄ったときのことでした。

 ニューヨークに着く前夜、男は女に、経済的自立のために再び画家になる決意を語ります。二人は、半年後、エンパイア・ステート・ビルで会う約束となりました。

バレーの劇場
 約束の地での再会は果たせませんでした。でも、ふとしたことから、それぞれ元婚約者とのペア同士で再会します。
 それぞれ言いたいこと、聞きたいことはいろいろあるでしょう。でも、女は男に「ハロー」としか言えません。男も「ハロー」としか答えません。

 涙を誘います。

めぐり逢い
 最高に泣かせるところが、上のラストシーンです。
「画商の話じゃ、若い女性が僕の絵を気に入ったというんだ。何でも、僕の心が見えるのだと・・・。だから、タダであげた。画商が言うには、彼女は貧しい上に・・・」

 そこで、ケーリー・グラントは、絵を手に入れた若い女性が目の前のデボラ・カーであること、そして彼女の身体の不具合に、はたと気づいたのです。

 女でなくとも、この映画は確かに泣かせます。
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まいじょ * 映画 * 23:55 * comments(2) * trackbacks(2)

翼よ!あれが巴里の灯だ

 原作は、1927年世界初の大西洋横断飛行に成功したリンドバーグの自叙伝で、ワイルダー監督はそれを忠実になぞるという了解のもとに映画化しました。
翼よ!あれが巴里の灯だ
 上の画像は、少し暗いですが、リンドバーグがようやくパリの上空に達し
「あれがパリの灯だ」

と叫び、夜のパリの街の灯りを俯瞰した眺めです。

 リンドバーグを演じたのは、ジェームズ・スチュアートですが、この映画では、なんだか生気がありませんでした。

 無名のリンドバーグは、大西洋横断飛行に成功したとたんに、神となりました。人類最大の偉業を成し遂げた男として崇められたのです。それから30年たっていた、この映画の製作当時でも、彼が世界的な英雄であることに変わりませんでした。

 神様=リンドバーグに遠慮したのか、ワイルダー監督は、いつもの彼らしいところがありません。せっかく使いたかった出発前の食堂のウェイトレスとのエピソードを自らボツにしてしまいます。
「いいかい、あのリンドバーグという若者、いい奴なんだ。ハンサムだし、その彼が今から・・・」
「知ってるわ。海の上を飛ぶんでしょう」
「そう。だが、あの空飛ぶガソリンは棺桶のようなもんだ。かわいそうだが、助からないだろう。そこで君にお願いがある。あの男はまだ女を知らない。こうしてくれないか? あいつの部屋に行き、ドアをノックする。あの男は眠れなくて起きているはずだ・・・」(『ワイルダーならどうする?』

 このエピソードが入っていれば、もう少しリンドバーグという男に人間的な魅力が感じられたような気がします。スチュアートだって、少しは女性とからみたかったに違いありません。
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まいじょ * 映画 * 22:34 * comments(0) * trackbacks(0)

Morelenbaum2/Sakamoto - A DAY in New York

 再び、Morelenbaum夫妻と坂本龍一のユニット、Morelenbaum2/Sakamoto(M2S)のアルバムをご紹介します。
Morelenbaum2/Sakamoto - A DAY in New York
 前作「Casa」がRio de Janeiroの陽光に満ちたサウンド(例:「O Grande Amor」)だったのに対し、このアルバムは間違いなくNew Yorkのサウンド(例:「Desafinado」)になっています。同じメンバーでも、レコーディングする場所や環境によって、こんなに音が変わるものかと、ちょっとびっくりしました。

 1曲目「Desafinado」、2曲目「Bim Bom」、16曲目「Insensatez - Re-Model By Alva Noto」(ボーナストラック)の3曲は下記のサイトで30秒くらい聴くことができます。
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まいじょ * 音楽 * 23:19 * comments(0) * trackbacks(0)

第十七捕虜収容所

 ビリー・ワイルダー監督は、戦争を描くにあたっても、派手な戦闘シーンや勇敢なヒーローが登場する映画ではなく、あえて捕虜を扱い、収容所という閉鎖的な空間を舞台としました。
 ワイルダーは、例によって、ナレーションを使ってこう言います。
捕虜を扱った映画がないのは不満だな

 第二次世界大戦中、ドイツの収容所には、主として米空軍の捕虜がたくさん収容されていました。
 主人公のウィリアム・ホールデンは、最初は憎まれ役として登場します。
第十七捕虜収容所
 仲間が収容所から脱走するのに成功するかどうかで賭けとなった時、多くが心情的に成功する方に賭けたのに対し、ただ一人冷静に失敗する方に賭けて、大勝ちしました。
 ホールデンは、収容所内で酒を密造して飲み屋をやったり、競馬ならぬネズミレースの胴元をやったりして儲けて、収容所内の通貨である煙草をたんまり貯め込んでいますが、自分は葉巻しか吸わないという嫌な男です。

 仲間の中にドイツ側に通じるスパイがいると分かった時、疑いはドイツ兵と何かと裏で取引しているホールデンにかかります。上のシーンは、全員の疑いの目が彼に集まったときのものです。
 主人公が本物のスパイを見つけ出すまでのスリルとサスペンスがこの映画の醍醐味でしょう。ここでは重要な小物がチェスの駒とだけ言っておきましょう。
 この映画のホールデン、本当にクレバーで、ニヒルで、格好いいです。最後に仲間と別れる時の決めゼリフ。
アホ面のお前たちとどこかでばったり会っても、そしらぬ顔でいような。


 現実の捕虜収容所がいかなるものであったか。小説などでソビエトの収容所の酷い様子を読んだり、アウシュビッツやビルケナウのユダヤ人収容所を見た経験がある私としては、いくら何でも収容所にこんなに自由や楽しみがあったはずはないと思うし、おかしいと思うシーンはいくつもあります。
 最初にこの映画を見たとき、どうもそのあたりが気になって、楽しむことができませんでした。でも、ワイルダーは戦争や収容所の中にさえ、人間の営みがあることを描きたかったのではないでしょうか。
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まいじょ * 映画 * 23:12 * comments(2) * trackbacks(1)

Morelenbaum2/Sakamoto - Casa

 Morelenbaum2/Sakamotoの「Casa」です。

Morelenbaum2/Sakamoto - Casa

 「Morelenbaum2/Sakamoto」というのは、チェリストのJaques Morelenbaum、ヴォーカルのPaula Morelenbaumの夫妻と、われらが教授・坂本龍一の3人で結成したユニットの名前です。

 録音は、実際にAntonio Carlos Jobimが住んでいた家で行われました。Morelenbaum夫妻は、Jobimが結成したバンド「Banda Nova」のメンバーだし、Jobimの音楽を本当に理解している人が作った最高のアルバムです。

 Jobimが生きていれば、きっとダミ声で参加しただろうけど、それが聞こえないのがsaudadeです。

 11曲目の「O Grande Amor」は、このアルバムの録音風景を撮影したフィルムを使って、教授が出演するCMで使われていました。何のCMでしたっけ、わかる方コメントください。

 パーソネルは、Paula Morelenbaum(Vo)、Jaques Morelenbaum(Cello)、Ryuichi Sakamoto(P)、Paulo Jobim(Violao) and Others
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まいじょ * 音楽 * 23:50 * comments(2) * trackbacks(0)
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