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昼下りの情事

 その年の映画の「最も素晴らしいタイトル」を表彰する「ゴールデンタイトル・アワード」の提唱者で映画大使の筑紫哲也さんが、過去の公開作品の中では、この「昼下りの情事」が名タイトルのグランプリではないかと言っている。(「筑紫哲也の緩急自在」07.07.04 アスパラ・クラブ

昼下りの情事

 原題は "Love in the Afternoon" だから、直訳すれば「午後の恋」だろうか、それを「昼下りの情事」としたところが絶妙なところだ。日活ロマンポルノに「団地妻 昼下りの情事」という名作(?)があるが、タイトルだけはこの映画のパクリである。

 私立探偵の娘オードリー・ヘプバーンは、中年プレイボーイのゲイリー・クーパーの素性を百も承知の上で出会ったのだが、いつもの手口でクーパーが供する豪華なルームサービスや「魅惑のワルツ」を奏でるバンドの音楽に魅せられ、あっという間に恋におちてしまう。数ヶ月後再会したヘプバーンは、生娘と悟られないために自分もプレイガールを演じるが、クーパーはそんなヘプバーンに魅せられ、本気の恋におちてしまうのだ。

 この映画のクーパーが適役かどうか評価が分かれるところだ。ワイルダー監督は、本当はケイリー・グラントにご執心で、この映画でもオファーしたが承諾がもらえなかったらしい。だが、監督は、実生活でも「無口」なクーパーが、女性の一言一句に耳を傾け、それが女性を魅了するところを目の当たりにして、クーパーがはまり役だったと感じたらしい。

 そういえば、村上春樹の小説に出てくる中年おばさんも女の子とうまくやる方法はみっつしかないと言っていた。
「ひとつ、相手の話を黙って聞いてやること。ふたつ、着ている服をほめること、三つ、できるだけおいしいものを食べさせること。」

 私が飲み屋で中年おばさんにもてるのは、本当につまらない話を黙って聞いているから、少なくとも聞いているふりをしているからだと思う。

 ラストシーン、駅でクーパーを見送るヘプバーン、動き出す汽車、せつない別れ。追いかける女、それを抱えあげる男。本当に名シーンだ。
 ワイルダーは、ウィリアム・ワイラー監督にこの映画についての意見を訊いた。「ウィリーはわたしの友達で、本音を聞かせてくれた。「最後のシーンで、オードリー・ヘップバーンはクーパーに話しかけるべきじゃないと思う。黙って列車といっしょに話しかけるべきだ」と言ったよ。そのとおりだな。でも、どうしようもなかったんだ。彼女の唇は動いていたし、パリにもどって撮り直すわけにもいかなかった。」




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goo映画昼下りの情事
1957年 アメリカ
監督:ビリー・ワイルダー
IMDb
Love in the Afternoon


まいじょ * 映画 * 00:50 * comments(2) * trackbacks(2)

コメント

TB&コメントありがとうございます。
ラストシーンに関わるエピソード、興味深く拝聴しました。
追伸:
久し振りにブログを再開されたのですね。歓迎します。
Comment by アスカパパ @ 2007/10/09 8:58 AM
こんにちは
ブログ再会・・楽しみが増えました。
まいじょワールド・・期待しております。
Comment by kju96 @ 2007/10/09 4:53 PM
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昼下りの情事

これはまた洒落た映画だ。その上、品格があるのが何よりも宜しい。芸術的な匂いさえ発散させている。これ一重に、痒いところに手が届くような演出、脚本と、主演級俳優の息の合った演技に因るものといえる。 フラナガン氏(ゲーリー・クーパー)を殺そうとする計画を
From アスカ・スタジオ @ 2007/10/09 8:49 AM

ビリーワイルダー第10弾!「昼下りの情事」

ビリーワイルダー監督の作品を、またまた オンラインレンタルのぽすれんで借りて観ました♪ ついに10作目です☆ 今回は、「昼下りの情事(Love in the Afternoon)」という作品。 〓出演 オードリー・ヘプバーン ゲーリー・クーパー モーリス・シュヴァリエ
From 人生をエンターテイメントに応援してもらう☆Blog @ 2008/04/24 4:36 AM
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