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白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々

 タイトルの「白バラ」は、ナチス独裁下、ミュンヘンの学生たちによって行われた反ナチ運動の名前で、映画の主人公ゾフィー(ユリア・イェンチ)は女子学生です。

白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々

 1943年2月18日、ハンス(ファビアン・ヒンリヒス)とゾフィーの兄妹は、ミュンヘン大学の構内で“打倒ヒトラー”を呼びかける過激なビラをまいているところをみつかり、ゲシュタポに逮捕されます。目撃者もいて、決定的な証拠もみつかったことから、兄妹の犯行であることは自供せざるをえませんした。しかし、モーア尋問官(アレクサンダー・ヘルト)の執拗な取調べに対しても、ゾフィーは決して協力者の名前は明かしません。

「スローガンは間違ってるが手段は平和的だ」
「じゃ なぜ罰するの?」
「法があるからだよ。法がなければ秩序はない」
「あなたの言う法は、ナチ政権誕生前の言論の自由を守る法よ。今は自由に発言すると投獄か死刑だわ。これが秩序?」
「では法律のほかに何に頼れというのだ?」
「良心よ」

 ナチ政権誕生前のおかげでゲシュタポ尋問官の地位を得たモーアは、第三帝国の理想とドイツの勝利を信じています。一方のゾフィーは、ドイツは敗北し現体制も崩壊すると確信しています。世界観の異なる二人の主張はかみ合うはずがありません。

「なぜ若いのに誤った信念のために危険を冒す?」
「良心があるからよ」

 良心にもとづいて行動したゾフィーの言葉を聞いているうちに、モーアは哀れみの感情をもつようになります。モーアは「信念を曲げるのなら命だけは助けてやる」とまで申し出ますが、ゾフィーは断固拒否します。

 逮捕からわずか4日後、短時間の裁判で死刑が決まり、その日のうちに執行されました。こうしてゾフィーは、21歳にして短い生涯を閉じたのです。いくら内容が過激だったとはいえ、ビラまきくらいで死刑とは驚きですね。いかにナチが反体制運動を恐れていたのかがわかります。

 同じような時期に公開された「ヒトラー 〜最後の12日間〜」とよく比較されますが、同じ世代の主人公二人、ヒトラーの秘書だったユンゲとヒトラー打倒を訴えたゾフィーの人間としての大きさの違いもあって、私は「白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々」の方がおすすめです。でも、両方とも観ると一層深く味わえるのではないかと思います。

Geschwister-Scholl-Platz

 ハンスとゾフィーがビラを配る前に横切ったミュンヘン大学の広場は、今ではショル兄妹にちなんで「Geschwister-Scholl-Platz」という名で呼ばれているそうです。


goo映画白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々
2005年 ドイツ
監督:マルク・ローテムント
IMDb
Sophie Scholl - Die letzten Tage


まいじょ * 映画 * 19:43 * comments(9) * trackbacks(30)

コメント

TBありがとうございました。
泣いたり笑ったりする映画でもないのですが、ずいぶん余韻を残された映画でした。来週再上映されるのですが、スケジュールあわずあきらめたところです。

周りに感化されやすく、右に倣え的な日本人の慣習からは想像も出来ない信念だと思います。しかもあの若さで…
右翼活動や反政府活動とはまた違った「信念」の話なのだと感じました。
Comment by 八ちゃん @ 2006/10/07 11:42 PM
こんにちは♪
TBありがとうございました。
この映画は今年マイベストテンには必ず入るほど心動かされた作品でした。
昨年の「ヒトラー〜」も良かったですが、合わせて見るとなおいいですよね。
Comment by ミチ @ 2006/10/08 12:13 AM
こんばんは〜。
早速「白バラ・・・」見られたのですね。私も、こちらの方が否応なく引き込まれました。戦争と言う狂気の世界をゾフィーの目を通してまざまざと見せ付けられました。
「良心」。
今、自分の良心は・・・と自問したくなります。


Comment by カオリ @ 2006/10/08 12:41 AM
TBありがとうございました。
『白バラの祈り』と『ヒトラー 最期の12日間』と、どちらも見ごたえのある作品でしたね。一般市民としての義務と責任についても考えさせられるものでした。
Comment by nancan @ 2006/10/09 9:12 PM
TB&コメントありがとうございました。
ヒトラーのほうで最後のほうに秘書の方が「ゾフィーはすごい」みたいなことを言っていたのでそれだけ影響を与えた人だったんだと驚きました。
あの若さであの信念を持てるってのはすごいですよね。
Comment by ななな @ 2006/10/10 6:24 PM
 コメントをいただきました。ありがとうございます。静かで息を殺して観る残酷な映画でした。残酷な場面はないのに、残酷だと感じるのは、言葉の力。つまり、台詞の力なのでしょう。秀作といって間違いない映画に出合えました。評論を読ませてもらい、ありがとうございました。  冨田弘嗣
Comment by 冨田弘嗣 @ 2006/10/14 8:58 PM
こんばんは。この映画はあの尋問シーンの心理的なやり取りに、圧倒されました。
そして、ラストの残酷には見せないけれども、音だけのシーンが恐ろしかったですね。

TB、いただいていきます。
Comment by ぷちてん @ 2006/10/21 9:51 PM
コメントとTBありがとうございます。
この映画は昨年公開当時から観たかった映画でした。一昨日やっとテレビで観ることが出来ました。
身の毛も弥立つ生々しさに戦慄を覚えます。こんなことが二度と起こらぬ世が来るように祈る想いでした。
Comment by アスカパパ @ 2007/05/22 7:02 AM
はじめまして。
私、梶野と申します。
この度、「白バラの祈り」を舞台化する事になり、お知らせさせて頂きました。
私はヴィリー・グラフを演じます。
映画では冒頭のシーンだけでしたが舞台版ではみんなと共に奮闘します。
舞台版の今作品は学生の勇気ある行動が生々しく、命を賭けて信念を貫くさまが描かれていると思います。
舞台版も是非ご覧になってください。
詳細はこちらを下記をご覧下さい。
http://www.gekidanmingei.co.jp/whiterose.html
「梶野扱い」と伝えて頂くと一般料金6300円のところ5700円でご覧になれます。
宜しくお願い致します。

突然のメッセージで失礼致しました。

Comment by みのる @ 2007/08/11 9:08 PM
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From ?? @ 2006/10/08 11:20 AM

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今まで映画を観て色んな種類の涙を大量に流してきましたが、 ”くやし涙”が出たのは初めてかも・・あの!酷い裁判と裁判官!!! 公開終了間際、駆け込みで見て参りました。
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(\'A`)<かなりの長文になります 2週間前のレディースデーの昼間、日比谷シャンテシネでの観賞。中年の夫婦が目立ちました。館内は満員でしたが私たちだけ定職に就かない若者、或いは春休み中の
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白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々・・・・・評価額1800円

真の英雄は戦場や革命の先頭にいるとは限らない。 英雄という存在が、自己の良心と信念に基づいた行動を貫き通した人間だとすれば、ゾフィー・ショルは正しくその称号に相応しい。 1943年、ドイツ・ミュンヘン。 スター
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白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々

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「白バラの祈り」

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『白バラの祈り ゾフィー・ショル最期の日々』★★・・・63点

『白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々』公式サイト 制作年度/国;'05/独 ジャンル;ヒューマン               配給;キネティック  上映時間;121分   監督;マルク・ローテムント 出演;ユリア・イェンチ/アレクサンダー・ヘルト/ファビアン
From ヘーゼル☆ナッツ・シネマカフェ @ 2006/10/12 10:46 AM

白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々

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☆白バラの祈り ゾフィー・ショル、最後の日々☆(2005)マイク・ローテムント監督ユリア・イェンチ・・・・・・・・・・・・ゾフィー・ショルアレクサンダー・ヘルト・・・・・・・・・ロベルト・モーア尋問官ファビアン・ヒンリヒス・・・・・・・・・ハンス・ショル
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「白バラの祈り-ゾフィー・ショル、最期の日々」

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白バラの祈り

永遠に語り継ぐべき若き女性の気高い勇気の行動。
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『白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々』’05・独

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白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々

脚本ゼミの友人に2006年の№1映画を聞いたら この作品を勧められました。 DVDで鑑賞。 1943年、第2次世界大戦、ヒトラー政権下のドイツ。 反政府活動グループ「白バラ」の 紅一点にして最年少メンバーだったミュンヘン大学の学生のゾフィー・ショルは 同じくメ
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『白バラの祈り ゾフィー・ショル最期の日々』

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From ・*・ etoile ・*・ @ 2007/03/07 12:04 AM

映画評「白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々」

☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2005年ドイツ映画 監督マルク・ローテムント ネタバレあり
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白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々

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