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ニノチカ

 サイレント時代からの女優グレタ・ガルボの初トーキー映画(「アンナ・クリスティ」)は“ガルボが喋る!”が宣伝文句でしたが、この「ニノチカ」は“ガルボが笑う!”がキャッチ・コピーとなりました。

ニノチカ

 舞台は1930年代頃のパリ。ガルボが演じるのは、ソビエトからやってきた鉄のようなキャリア・ウーマン、ニノチカ。彼女は、社会主義の理想を信じ、資本主義の何もかもを軽蔑の目で見ています。

 ニノチカの目の前に現れたのが、資本主義の贅沢や堕落の申し子のようなレオン(メルヴィン・ダグラス)。彼は怪しい男爵で、フランスに亡命したロシア帝国のスワナ大公妃(アイナ・クレア)の愛人で、贅沢な暮らしをしています。

 正反対の二人が出会ってまもなく恋におちるのですから、不思議なものです。ガルボは、最初にその帽子を見たときは「あんなものをかぶるような文化は滅びる」というほど嫌悪した、変てこな帽子を買ってしまいます。レオンの方も、まったく似合わないマルクスの「資本論」を買って読むなど、恋の相手に少しでも近づこうとします。

 帽子は、この映画では象徴的な役割を果たしています。ニノチカの帽子もそうですが、
古い帽子新しい帽子
ソビエトの3人男が、国から持ってきた野暮ったい帽子を、レオンから贅沢三昧を教わったとたんに、ヨーロッパ紳士風の帽子に換えたのも、資本主義に染まったことを見事に表していました。

 ニノチカは、宝石の権利をめぐってスワナ大公妃と対立しますが、この二人はレオンをめぐっても対立し、女の闘いとなります。
「あなたが奪ったのよ、私の皇帝も国も国民も、私の全てを。でもこれ以上は許さない」
「国民は奪えないわ。1億人だろうと、たった1人だろうと。彼らを愛していなければね」


 スワナ大公妃の謀略により、奪われた宝石の権利を取り戻す代わりに、ニノチカはレオンと別れてソビエトに帰ることとなりました。ニノチカとレオンの恋はこれで断ち切られたと思ったのですが、最後にうれしい場面が用意されていました。

 この映画にちりばめられたほくそ笑むようなギャグや、全てを説明しないで分からせてしまう撮り方をルビッチ・タッチというのでしょうか。チャールズ・ブラケットビリー・ワイルダーほかの共同脚本も見事というほかありません。引用したいセリフはたくさんあるのですが、きりがないのでやめておきます。
JUGEMテーマ:名画



goo映画ニノチカ
1939年 アメリカ
監督:エルンスト・ルビッチ
IMDb
Ninotchka


まいじょ * 映画 * 22:32 * comments(3) * trackbacks(6)

コメント

トラックバック、コメントありがとうございます。社会状況をはねかえすが如く、良い作品が生まれましたね。
Comment by blue1toto @ 2006/09/21 3:04 AM
『ニノチカ』よかったですねー。
"ガルボが笑う"シーンにはハッとしました。
Comment by k.onodera @ 2006/09/22 9:15 PM
TB&コメントをありがとうございました。
まいじょさんのレビュー拝読しました。
数々のギャグ、ほんとうに素敵でした。
なるほど、
>すべてを説明しないで分からせる・・
うん、うんと頷けます。
Comment by アスカパパ @ 2008/08/25 10:43 AM
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