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カサブランカ

 「君の瞳に乾杯!」など数々の名セリフで知られる、ハンフリー・ボガートイングリッド・バーグマンの超有名メロドラマです。

カサブランカ

 舞台は、1942年頃のモロッコのカサブランカ。当時のヨーロッパは、ナチス・ドイツがまだ優勢を誇っていて、フランス領だったカサブランカは、ヨーロッパ各地からナチスによる難を逃れてアメリカを目指す人々であふれていました。
 ここでナイトクラブ「リックス・カフェ・アメリカン」を経営するのがリック(ボガート)。そこに現れたのがかつての恋人で、パリ陥落の日の前日(1940年)に突然姿を消したイルザ(バーグマン)と、その夫の反ナチ活動家ラズロ(ポール・ヘンリード)の二人です。

ハンフリー・ボガート

 あらためてみると、映画の途中までのボガートは、店のピアニストにバーグマンとの思い出の歌「アズ・タイム・ゴーズ・バイ」を演奏するのを禁じていたり、「世界に星の数ほど店はあるのに、彼女は俺の店にやってきた」と嘆いたり、酔っ払ってバーグマンに対し過去の裏切りを皮肉たっぷりに責めたり、相当に女々しい男です。それに、数えたら、「君の瞳に乾杯!」(Here's looking at you, kid)というセリフを4回も繰り返す、結構軽い、ワンパターン男です。
 それでも、クールでダンディな男というイメージが強いのは、自分を犠牲にしてバーグマン夫婦を脱出させるラストシーンが強烈な印象を残したからでしょう。

 この映画のバーグマンの、二人の男への愛に苦悩する姿は、本当に魅力的です。この映画の彼女に勝る美形の女優はいないと思います。
 バーグマンは写真集のインタビューで、「結末が分からないまま撮影してて、ラズロと一緒になるのかリックと一緒になるのかシナリオができていなかった」と言っているんですね。演技プランが立たないから、二人のうちどっちを好きなのか、監督にしきりに結末を聞いたんだけど、監督も分からないから中間で演じてくれと言われて嫌だったって。結局、ラズロと一緒に行くバージョンを撮ったら、これしかないということになって、もう一つは撮らなかったんだそうです。でも『ギネス・ブック・オブ・ムービー・ファクツ・アンド・フィーツ』という本には、「『カサブランカ』は結末までシナリオが書かれないまま撮影したというのが俗説になっているけど、実はそうではない。ちゃんと書かれていたけど、監督はわざとバーグマンには教えなかった」って書いてありました。(和田誠ほか『これもまた別な話』)


 次のセリフも有名ですね。
「昨日はどこにいたの?」
「そんな昔のことは覚えていない」
「今夜会える?」
「そんなに先のことは分からない」

 このセリフは、バーグマンとボガートの会話ではありません。ボガートに惚れている酔っ払い女との会話でした。

 最後に面白いエピソードとして、ボガートがやったリックの役をロナルド・レーガン(のちのアメリカ大統領)がやる話もあったようです。でも、「カサブランカ」のためには、レーガンがやらなくて本当によかったです。
JUGEMテーマ:名画



goo映画カサブランカ
1942年 アメリカ
監督:マイケル・カーティズ
IMDb
Casablanca


まいじょ * 映画 * 00:47 * comments(13) * trackbacks(11)

コメント

はじめまして、TB有難うございます。バーグマンはラストの成りゆきを知らずに演技していたんですね。その監督の意図があたったのか、二人の男に揺れる女の微妙な心を繊細に演じていてすごくイイです!
また遊びに来ます。これからもどうぞよろしくー。
Comment by ぶーすか @ 2006/09/13 7:32 AM
こんにちは!TB&コメントどうもありがとうございます♪
この作品、実は最初から最後まできちんと鑑賞したのはつい1年くらい前なんです。名作ってへたに前知識があるだけになかなか見る機会がないんですよね〜。
個人的にはもっと甘〜いメロドラマの様な内容を想像してたので、結構意外でしたね。
そして、やっぱりイングリッド・バーグマンの美しさには圧倒されてしまいました。

こちらからも、TBさせて頂きますね。
Comment by クマ @ 2006/09/13 7:48 AM
こんにちは、お久し振りです。
TBありがとうございます。
まいじょさんは、お忙しそうですね。
これからもよろしくお願いします。

Comment by kju96 @ 2006/09/13 9:49 AM
TB&コメントありがとうございました。
「ラ・マルセイエーズ」は『大いなる幻影』でもそうでしたが、ほんとに震えますよね。
同じくフランスの血が混じっているのかもしれません(笑)

ボガードにふられた女性は感極まって歌ってましたね。歌っている彼女の表情は今でもはっきりと浮かびます。

気づくのが遅れましたが、リンクに追加していただいてありがとうございます。
こちらからも追加させていただきました。
今後とも宜しくお願い致します。
Comment by micchii @ 2006/09/13 2:24 PM
まいじょさん、こんばんは。TB&コメントありがとうございました。

ロナルド・レーガンが候補にあがってたとは知りませんでした。レーガンって西部劇役者だったのかとばかり思ってましたけど(実は全然知りませんが)。こちらからもTBさせていただきました。
Comment by FROST @ 2006/09/13 6:03 PM
まいじょさん、こんばんは。TB&コメントありがとうございました。

ロナルド・レーガンが候補にあがってたとは知りませんでした。レーガンって西部劇役者だったのかとばかり思ってましたけど(実は全然知りませんが)。こちらからもTBさせていただきました。
Comment by FROST @ 2006/09/13 6:04 PM
すみません、二重コメントになってしまいましたm(_ _)m
Comment by FROST @ 2006/09/13 6:05 PM
あの名セリフ、4回も言っていたんですか!?
それでもしつこい!なんて思わずに、
あぁ素敵なんて思ってしまうんですから
スクリーンの魅力ってすごいですね。
Comment by ジュン @ 2006/09/16 11:32 PM
はじめまして〜♪
トラバ&コメントありがとうございました。
確かに女々しいところも多々ありましたね(^-^;
でも、やっぱりラストの印象が強いですよね。
ステキな映画でした♪
Comment by miyu @ 2006/10/07 1:02 AM
女々しく未練たらしいところで女ごころをくすぐり、かつ、超クールでハードボイルドなところで男のロマンをくすぐるのがボガードの魅力でしょう。
Comment by まいじょ @ 2006/10/08 12:20 AM
この映画は、大学1年のときに英語の先生が原本のシナリオを使った授業をやったので、結構覚えてます。(モチロン映画も見せられました。先生が、バーグマンのファンだったんですね)

個人的には、「この戦争と言う狂気の世界においては、僕ら3人のことなんて、ちっぽけなことにすぎないんだ」と言うセリフにいたく感動しました。ゾフィー・ショルの映画を見たときも、この言葉が思い浮かびました。
Comment by カオリ @ 2006/10/08 12:47 AM
>カオリさん
カサブランカのテキストを使った授業、面白そうですね。
戦争という切羽詰った状況だからこそ、二人の男のどちらにつくかが大事なんですけどね。
Comment by まいじょ @ 2006/10/09 12:48 AM
 この映画は、いわずと知れた名作ですが、字幕翻訳家の訳の若干の違いがありいつもこんなだったかなと思います。
 はじめにNHKで90年前後に放映されたものでは、レイモンドチャンドラーの翻訳などを手がけられた清水俊二先生の訳で辛口のものでしたがその後違うもので見直したらして驚きました。
 かっこいい言い回しが多いので、機会があったら英語字幕表示で楽しみたいとおもいます。
Comment by プジョー @ 2007/03/22 3:21 PM
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