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ワン、ツー、スリー/ラブハント作戦

 1961年、ベルリンの壁ができた同じ年に作られた映画で、ビリー・ワイルダー監督がベルリンを舞台に、米ソの冷戦を徹底的に茶化した映画です。

ワン、ツー、スリー

 名優ジェームズ・キャグニーが演ずるのは、コカコーラ社の西ベルリン支社長。運に恵まれず今の地位に甘んじていますが、ソビエトへの販路拡大で出世を狙ったり、家族をバカンス旅行に出して鬼のいぬ間に秘書と浮気をしようと企んだり、まったく抜け目がなくエネルギッシュな男です。

 そんなある日、キャグニーは、本社の社長から突然娘をしばらく自宅で預かってくれとお目付け役を命じられ、家族のバカンスも秘書との浮気もパーになります。それからが大騒ぎ、娘は監視の目をすり抜けて、東ベルリンの若者に一目惚れして無断で結婚までしてしまいました。キャグニーは、二人を別れさせるために陰謀を計るかと思えば、娘が妊娠していることが判ると、一転して二人を結びつけようと大作戦を展開します。

 アメリカとソビエト、資本主義と共産主義の対立を皮肉るギャグの連続ですが、全編を通して重要な小道具となるのが、風船。東ベルリンのデモ行進では、「ヤンキー・ゴー・ホーム」と書かれた風船があげられたのですが、ワイルダー監督は、物語の随所にこの風船を登場させ、笑いのタネにしています。
風船1 風船2 風船3 風船4

 音楽は、アンドレ・プレヴィン(ピアニスト・指揮者)。ハチャトリアンやワーグナーの曲をとても効果的に使っています。おかしかったのは、レストランの楽団がロシア人に「ロックをやってくれ」といわれて、演奏したのが「剣の舞」だったこと。また、気を失った社長の娘を診察に来たドイツ人の医者が、「シュヴァンガー(妊娠)」を英語に訳せず困っていると、おませな子供たちが意味を教えてあげたのですが、この医者は急患で呼ばれたために「ワルキューレ」の第一幕を見そびれていました。そのため、医者は心ここにあらずで、帰り際には「ワルキューレ」のメロディで高らかに「妊娠はシュヴァンガー!」と歌って帰って行きました。

 この映画が作られた1961年は、ガガーリンが初めて宇宙を飛んだ年でもあり、宇宙開発やミサイル開発の競争では、ソビエトがアメリカに対し圧倒的に優位に立っていました。ロシア人のセリフです。
「ミサイル科学は、ソビエトがアメリカに勝っている分野だ。アメリカは発射に失敗すれば特別ボタンでミサイルを爆破する。でもソビエトではボタンが2つある。ミサイルと科学者を両方爆破するのだ」

 昨日までの4日連続でNHKでやっていた英・BBC製作のドラマ「宇宙へ〜冷戦と二人の天才〜」で描かれた米ソの熾烈な宇宙開発競争の状況をみると、あながちジョークでもなさそうです。

 とにかく、この映画はあまりにもたくさんギャグが詰まっているので、一度観ただけではなかなか全部笑うことができません。
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goo映画ワン、ツー、スリー/ラブハント作戦
1961年 アメリカ
監督:ビリー・ワイルダー
IMDb
One, Two, Three


まいじょ * 映画 * 23:07 * comments(0) * trackbacks(0)

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