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イヴの総て

 演劇界の裏側の人間模様を描いたドラマで、同じく映画界の内幕を暴露した「サンセット大通り」とともに一大センセーションを巻き起こしたそうです。
イヴの総て
 ブロードウェイの大物女優マーゴ(ベティ・デーヴィス)のもとに、マーゴの熱烈なファンだという若い女性イヴ(アン・バクスター)が現れます。夫を戦争で失ったというイヴの身の上話に同情して、マーゴはイヴを「付き人」に雇います。

 若くて、美人で、聡明なイヴに対し、寄る年波に肌の衰えは隠せず、傲慢で気品のかけらもないマーゴ。この二人を見比べたら、誰だってイヴを応援したくなるし、男だったら惚れるはずです。私だってコロッといきました。

 でも、純情そうに見えるイヴの顔の下には、恐るべき野心が秘められていました。自分がスター女優になるという目的のためには手段を選ばず、人に取り入り、人を陥れ、人を裏切るのです。

 この映画を観て、外見で人を判断してはいけない、特に若い女性の尊敬のまなざしに気を許してはいけない、ということを学習しました。その教訓がたたきこまれたせいか、先日この映画をあらためて見たときは、イヴよりもむしろマーゴの方にシンパシーをもちました。

 マーゴは、女優としての才能を見出されたイヴに嫉妬して、自分の恋人の演出家にまで疑いをかけます。
「安心できないわ」
「結婚したら安心するかい?」
「無理に結婚しなくてもいいわよ」
「いろんな理由を付けて断るね。今日は一体どうした?」
「分からないわ。何となく腹が立って…」
「分かってて言いたくないんだろう」

 男と女がもめるとき、素直になれなくて、本当の気持ちとは逆のことを口走ってしまうことってありますよね。そんな微妙な心理を、ベティ・デーヴィスが実にうまく演じていました。
JUGEMテーマ:名画



goo映画イヴの総て
1950年 アメリカ
監督:ジョゼフ・L・マンキーウィッツ
IMDbAll about Eve


まいじょ * 映画 * 18:16 * comments(6) * trackbacks(8)

コメント

ベティ・デーヴィスの後ろに控えているのはマリリン・モンローですよね。懐かしいなぁ。
子供の頃にTVで観た映画ですが、アン・バクスターがイヴだったんですね。あの美しさだったら男は騙されます。

正月に「三人の妻への手紙」の1コインDVDを買ったのですが、まだ観てません。どちらもマンキーウィッツのオスカー受賞作でしたね。
Comment by 十瑠 @ 2006/05/12 7:30 AM
>十瑠 さん
そうです。まだ無名時代のマリリン・モンローです。聡明で真面目そうなイヴとは正反対の、若さとお色気だけの馬鹿な女優を演じていました。私たちの目に焼きついているモンローと比べると、フレッシュですね。

あと重要な役どころでセレステ・ホルムが出ていますが、これも魅力的な女性です。
Comment by まいじょ @ 2006/05/12 9:10 PM
コメント遅くなりました。
観たら忘れないようにブログをつけている感じなのですが、わたしにとってかなり強烈な作品です。
マーゴの恋人がイヴに走らなかったところが好感ですが、不思議ですよね。というか普通の映画が安易すぎるのでしょうか?
批評家がまぁ脅迫的ですけどある意味いい理解者とも言えなくないなと思いました。
Comment by かよちーの @ 2006/08/17 1:36 AM
はじめまして。この度は私のブログにお越し頂きTBとコメントをありがとうございました。また、他の映画についても多くのコメントをありがとうございました。

この映画は、おっしゃる通り私も最初に観た時はイヴに魅せられました。ベティ・デーヴィスの凄さがこの映画の命だと感じたのは私も二度目に観た時です。

それぞれの作品についても、真の狙いを知った時「ハッ」とする時がよくあります。
「能ある鷹は爪隠す」のでしょうか、、。
Comment by アスカパパ @ 2007/01/21 11:20 AM
TBありがとうございました。
最初はマリリン・モンロー様目当てで見たんですが、イヴの見事な成り上がりっぷりに思わず引き込まれちゃいました。

ダンナが気まぐれにレンタルしてくるまでマリリン様がご出演してるなんて知りませんでした。
Comment by akko @ 2007/01/22 7:25 PM
こんばんは。
500円均一DVDのコーナーでベティさんの顔に一目ぼれして衝動買いしました。あと、クィニーという作品もミアサラさんのお顔にひとめぼれしてかいました。
白黒なのに最近の映画よりも充実感があってカラーでみていたより強烈なカラーだったような感覚に浸ってしまいました。
ラストのアン・バクスターさんの声がベティさんの声そっくりになっていたのは演出なのか、ベティさんがアテレコしたのかとても興味深い状態で終わりました。
このへんも直接知りたいです。テレビも映画もここ数年のは全く観ていません。当時の役者さんは本当に真面目に演技に取り組んでいたのだなぁと思いました。
最近の映画でもこれぐらいすばらしい作品が登場しているとよいなと思います。おすすめがありましたらおしえてくださいませ。
Comment by モカマタリ @ 2007/06/01 8:56 PM
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イヴの総て #550

1950年 アメリカ 138分 演劇界の最高の章を最年少で受賞したイヴ・ハリントンの授賞式の模様から物語は始まる。拍手喝采の大観衆と裏腹に前のテーブルに座る人々の表情は冷えている。語り部である批評家は、これから今ここで大スターに登りつめたイヴの総てをお話しよ
From 映画のせかい2 @ 2006/05/28 7:26 AM

イヴの総て

イヴの総て ++story++ 女優イヴが著名ではなくても実力が認められたと言われる賞を受賞したのに喜ばないひとたちがいた。 +++++ イヴは女優としてのし上がるために女優のマーゴの付き人になるのですが、やり方の汚さが 同性に嫌われるタイプ ですね〜、
From cino @ 2006/08/15 10:03 PM

イヴの総て 1950年/アメリカ【DVD#132】

一番印象的だったのは、俳優、特に女優陣の演技合戦ですね。新進女優イブ・ハリントンを演じるアン・バクスターはクールな表情を大きく変えることなく従順さや、計算高さ、傲慢さなど全く違う感情を見せるところは素晴らしい。アン・バクスターがこの役に向かう意気込み
From オールド・ムービー・パラダイス! @ 2006/11/14 2:16 PM

イブの総て

 これどう見ても傑作映画なのは間違いないよ。同年の「サンセット大通り」でのグロリア・スワンソンとこの映画のベティ・デイヴィスが落ち目の女優という役柄で似ている。アカデミー賞で争ったらしいのが興味深い。だってもう芸能界内幕ネタでドロドロしまくってるから
From without a trace @ 2007/01/21 12:51 AM

イヴの総て

 この映画とも五十数年ぶりに再会した。今回は往事と比べて客観的に見られた。ジョセフ・L・マンキーウィッツ監督は、良く言えば大人の映画を撮る。悪く言えば重苦しい。『ジュリアス・シーザー』とか『クレオパトラ』など、何時も重厚なベールに包まれる。それが災い
From アスカ・スタジオ @ 2007/01/21 10:46 AM

『イヴの総て』

演劇界の裏側を描いたサスペンス風の内幕ドラマ。 1950/米  サスペンスといっ
From りるる文庫 @ 2007/01/22 12:27 AM

イヴの総て

こんばんは。昨日の記事で 骨折をカミングアウトしたakkoです。 ちょっと動くにもものすごぉぉぉぉく疲れます。(;´Д`)ノハァ〜 やっぱ、健康って大事よ。 みなさんもお体大切にね テヘヘッ(*゚ー゚)> さてさて、上半身は元気モリモリ!?のakko
From ◆ 超独断的番付☆映画・DVD・ドラマを勝手にランキング!! ◆ @ 2007/01/22 7:20 PM

カメラも流麗、モノクロの映像も深さもコクもあるのだから、罪は大いに脚本にあり!

幸福の絶頂であったアン・バクスターが子供たちを失い酒に溺れ、自堕落な女へ変身して行く巧さは出番の少ない割には見事で、お手の物ではあろうが、女の役柄としてもどうも主演のティアニーよりアン・バクスターの方に魅力を感じざるを得ない。
From この広い空のどこかで今日もいい日旅立ち @ 2007/03/03 6:55 PM
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