<< August 2018 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
<< スミス都へ行く | main | Bebel Gilberto - Tanto Tempo >>

生きる

 たらい回し、判で押したような仕事、前例のないことはやろうとしない……、「お役所」の怠慢な仕事ぶりを描きながら、そんな組織であっても個人のやる気によってやればできるのだ、ということを示した作品です。

生きる

 主人公の志村喬は、市役所の市民課長。30年間無欠勤で役所勤めをしてきましたが、休まなかったのは、自分がいなくても誰も困らないということを知られたくなかったからという、本当にどうしようもない男です。

 不治の病のガンで余命わずかと知り、溺愛していた息子も嫁に奪われ、どうしようもない悲しみや孤独を、慣れない遊びで晴らそうとします。でも、そんなことしても空しいだけでした。

生きる - 放蕩

 そんな時、役所にうんざりして辞めていく部下の女子職員(小田切みき)と出会います。穴のあいた靴下をはく彼女に、靴下を買ってあげました。

生きる 靴下
「でも課長さん、どうしてあたしにこんな?」
「そりゃ、君の靴下に穴が」
「だって、あたしの靴下に穴が開いてたって、課長さんの足が冷たいってわけじゃないでしょ」
「いや、その、わしはただ...」
「うそ、うそ。今のはうそ。よく分かっているの。課長さんの優しい気持ちが。」

 こうしてプラトニックな援助交際みたいなものが始まりますが、彼女の若々しい「生き方」に触発されて、彼はついに変身します。
「いや、遅くはない。無理じゃない。あそこでも、やればできる。ただやる気になれば。わしにも何かできる。」

 彼は役所に戻り、住民の切実な願いに応えて、ドブ川を暗渠化して公園にするプロジェクトに文字通り命を懸けて取り組むことになります。

 公務員やこれから公務員となる人に、ぜひ観てもらいたい映画です。

 実はこの3日間のエントリーの隠れテーマは「三権分立」。「十二人の怒れる男」は司法、「スミス都へ行く」は立法、そしてこの「生きる」は行政なのでした。
JUGEMテーマ:名画



goo映画生きる
1952年 日本(東宝)
監督:黒澤明
IMDbIkiru


まいじょ * 映画 * 00:01 * comments(2) * trackbacks(3)

コメント

TB、感謝です!!
私の記事、お返しTBさせてくらさいまし。
Comment by @ 2005/12/13 8:58 AM
まいじょさん、こんばんは。ちょいとお見かけしたのでTBさせていただきました。うーん、たまには日本映画も観ないといかんなぁ、と、まいじょさんの記事を読んで思いました。
Comment by FROST @ 2006/11/22 2:36 AM
コメントする









トラックバック

★「生きる」、寡黙と饒舌さ★

「生きる」 (1952) 日本 監督:黒澤明製作:本木荘二郎脚本:黒澤明 橋本忍 小国英雄撮影:中井朝一美術:松山崇編集:岩下広一音楽:早坂文雄照明:森茂出演:志村喬 日守新一 田中春男千秋実 小田切みき 左卜全 山田巳之助 藤原釜足 金子信雄 他、いつもながら
From ★☆カゴメのシネマ洞☆★ @ 2005/12/13 8:58 AM

「生きる」

みなさん、こんにちは。日本全国、寒いのですかね。確かに今年はすごく寒いです。でも、みなさんのブログを拝見しているとすこしづつあったまってきます。ありがとうございます。今日の寒さで思い出したので、今日は黒澤監督の映画、「生きる」についてお話します。
From 気分がいい、運がいい、ありがとう、で幸せになろう。 @ 2006/01/22 4:11 PM

生きる 1952年/日本【DVD#67】

題名通り”生きる”ということがなんなのか、否応なく考えさせられます。助役が葬式で手柄を自分のものにしようと一席ぶつ場面がありますが、渡辺を慕う町の住人達が無言で焼香し涙を流す姿を見て、取り巻きともども絶句しいたたまれなくなって退散してしまいます。 ど
From オールド・ムービー・パラダイス! @ 2006/11/22 2:35 AM
このページの先頭へ