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十二人の怒れる男

 アメリカの裁判がどんなものか、特に陪審員制度というものがどういうものかを最初に教えてくれた映画です。

 95分の映画うち、90分くらいが、狭い陪審員室が舞台であり、その中には12人の陪審員しか登場しません。法廷での証言はすべて陪審員の口を通して再現されます。

十二人の怒れる男

 事件は、スラムの少年による父親殺人。目撃者の証言、不確実なアリバイ、物的証拠に状況証拠と、少年の有罪は決定的かと思われました。

 最初の評決は、有罪11人:無罪1人。たった一人無罪としたのが、主演のヘンリー・フォンダ。彼は、テレビ版の試写を見て大いに気に入り、製作にまで乗り出したということです。さすがにおいしい役もらっています。知的な推理と理性的な説得によって、一人またひとりと有罪に疑問を持つ者を増やしていきます。

 敵役は、リー・J・コッブ(「波止場」のギャングのボス役)。フォンダと対照的な性格で、自分の一人息子との不仲がトラウマとなって、父親殺しの少年に対し異常なほどの憎しみを持っています。彼は少年の「殺してやる」という発言を、殺す気があったからだ主張しました。

 フォンダとコッブのやりとりです。
「やつは有罪だ。電気いすさ!」
「君は死刑執行人か?」
「その1人だ」
「君がスイッチを?」
「入れてやるさ!」
「よくそんな気持ちになれるもんだ。社会の復讐者を気取っているのか。個人的な憎しみで殺したいのか。サディストだ」
「放せ。殺してやる!」

 思わず出た「殺してやる!」のひと言で、それを聞いた11人全員が引いてしまったところが上のシーンです。

 最初にこの映画を見たとき、日本とアメリカの裁判制度の違いに驚きました。日本でもようやく裁判への市民参加が実現しますが、この機会にぜひこの映画を観ることをおすすめします。
「我々には責任がある。これが実は民主主義のすばらしい所だ...郵便で通告を受けるとみんながここへ集まって、全く知らない人間の有罪無罪を決める。この評決で私たちは損も得もない。この国が強い理由はここにある」
JUGEMテーマ:名画




goo映画十二人の怒れる男
1957年 アメリカ
監督:シドニー・ルメット
IMDb12 Angry Men


まいじょ * 映画 * 14:25 * comments(8) * trackbacks(17)

コメント

まいじょさん ご無沙汰しております。
TBありがとうございました!
私の記事は「12人の優しい日本人」と2本立てで申し訳ないのですが、TB返しさせてください。

毎日お邪魔させていただいてます〜。
いつも渋い作品をチョイスされていて素敵です!
Comment by なぎさ @ 2005/12/12 12:21 AM
まいじょさん TBありがとうございました。この映画の背景季節は確か夏だったと思います。部屋がとても暑くて、みんながイライラしてたシーンもあったように思います。裁判員制度、その責任の重さに私は限りなく不安です。もう1度観ようかしら
Comment by Lance @ 2005/12/12 1:09 AM
こんにちは。
私、初めてこの映画を観た時、本当に衝撃的でした。
カメラが部屋から動かないことに!
食いついて観てました。
まいじょさんの記事を読んで、また観たくなりました。
Comment by chieko @ 2006/02/08 10:42 AM
TBありがとうございます♪
日本でもこれから裁判員制度が取り入れられるようだし、
この映画を見て、「裁く」ことの重大さについて実感しました。
Comment by 奈緒子と次郎 @ 2006/09/07 8:19 AM
こんにちは。TBありがとうございました。
白熱した論戦といい、夏の暑い密室での討論といい、登場人物の情熱といい、熱い作品でしたね。
人を裁くということがどういうことなのか、どれだけの責任がかかっているのかとまじまじと感じさせてくれました。
日本でも裁判員制度が取り入れられることとなり、その責任の重さを改めて実感しますね。
物事の本質をちゃんと見極めることが大切なんだろうな・・・

こちらからもTB返させていただきます
Comment by chibisaru @ 2006/09/07 10:28 AM
 こんばんは〜、「十二人の怒れる男」で検索して来ました。

 私もこの作品が大好きで何度も観ています。
最近のきらびやかな映画と比べると、密室での男たちの激論という地味な設定(笑)ですが、テーマはとても深く勉強になりますね〜。

 私も今回ブログで「十二人の怒れる男」を記事にしました、よかったら一度いらして下さいませ〜ではまた!
Comment by ルーシー @ 2007/01/25 2:09 AM
この国にも裁判員制度が導入されますね我々は、これほどまでに理性的、実証的でしょうか。疑問が残ります。
Comment by プジョー @ 2007/03/22 3:13 PM
まいじょさん、こんにちは〜♪
リー・J・コッブの「殺してやる!」の一言は、インパクトがありましたね。他の陪審員が引いて、彼に背を向けて立つシーンが舞台のようで印象に残りました。観終えて思ったこと・・・容疑者は父親を殺したかどうか、真実に言及していないところが、この映画の素晴らしいところなのでしょうね。
Comment by マーちゃん @ 2007/11/05 2:43 PM
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