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街角

 エルンスト・ルビッチ監督の「街角」は、もとは「桃色(ピンク)の店」という邦題でした。原題(The Shop Around the Corner)を直訳すれば、「街角の店」なんでしょうけど。

 トム・ハンクスとメグ・ライアンの「ユー・ガット・メール」は、この映画の「手紙」を「Eメール」に置き換えたリメイクです。

街角/桃色の店

 舞台はブタペストのとある街角にある雑貨店。ジェームズ・スチュワートは、この店の若きチーフで、ちょっと商品の仕入れセンスの良くない老経営者を補佐しています。

 ルビッチ・タッチは随所に現れています。たとえば、前夜経営者の家で夕食をごちどうになったスチュアートに、翌朝、使い走りのペピが重曹(胸やけを抑える薬)を渡したところで、イヤミな年上の店員がからみます。
「もしや...」
「レバーの食べ過ぎだ」
「物が悪かったのか?」
「早とちりしないでくれ。みんな聞いたか? 僕はレバーの悪口を言ったか? レバーの食べ過ぎといっただけだ。それ以外はひと言も言っていない」

 何もそんなにムキになって、誤解を正そうとしなくてもよさそうなものですが、この店がかなり封建的な経営であること、スチュアートは主人に絶対的な忠誠を誓っていることがよくわかります。

 セリフのテンポのよいこと、無駄がないこと、本当によくできた脚本です。あるいは、元となった戯曲がよほど素晴らしいのかもしれません。

 新入りの女店員が、マーガレット・サラヴァン。才気あふれる二人は、ことあるごとにぶつかって、店ではいつもけんかばかりしています。

 実はこの二人、互いに相手がどんな顔かもわからずに手紙をやりとりしている文通友達(元祖メル友)なのです。手紙のやりとりだけで、二人の愛は高まり、互いに結婚さえ考えるまでになっていくのです。

 劇中の当事者はその関係を知らないのに、観客だけが知っている。そのおかしさ、「ユー・ガット・メール」も確かそうでした。
JUGEMテーマ:名画



goo映画街角
1940年 アメリカ
監督:エルンスト・ルビッチ
IMDbThe Shop Around the Corner


まいじょ * 映画 * 23:42 * comments(7) * trackbacks(4)

コメント

まいじょさん、コメントありがとうございました。フランソワのラヴェル、絶対観ます!
貴重な情報ありがとうございました。見逃すところでしたよ。(笑)
ところでいつもクラシック映画の記事を書いておられてスゴイですね。クラシック映画ファンなのかな?
普通のカラー映画よりモノクロ映画の写真の方が上品で『絵』になる気がするのは私だけ?
こういう渋い映画はまだ未開拓の領域なので、今度チャレンジしてみたいと思います。
Comment by Jannita @ 2005/12/04 5:19 PM
Jannita さん、ようこそ。
別にクラシック映画にこだわっている訳ではありませんが、ブログに書きたい映画ということで選んでいくと、どうしても古い映画が多くなってしまいます。
そういえば、黒澤明監督の作品でもモノクロ時代の方が名作が多いし、撮影もはるかに高度なテクニックを使っていたように思います。
Comment by まいじょ @ 2005/12/04 9:06 PM
コメントありがとうございます。
たしかにルビッチとワイルダーは短絡的に比べられないですね。
でも冷静さを欠きがちなわたしの場合、ついつい比べてしまい、ルビッチの方に軍配をあげてしまうんです。
でも、ワイルダーの『サンセット大通り』は本当に素晴らしいですね。
Comment by k.onodera @ 2006/08/17 1:57 AM
まいじょさん、コメントとトラックバックを有難うございました。スパム対策がこうじてすぐ反映されずに失礼致しました。これに懲りずに今度とも宜しくお願いします。
ところでこの映画の初期のタイトル「桃色(ピンク)の店」というのは何故なんでしょう。知りたいところです。ピンク=ハッピーという感じはしますが。
それと、私もテキストリンクはしているのですがIMDbのバナーは許可製ですか?ぜひ欲しいです。
Comment by koukinobaaba @ 2006/08/17 8:30 AM
「まいじょ」さん、トラックバックを送信したのですが拒否されてしまいました。スパム設定ですか?
Comment by koukinobaaba @ 2006/08/17 8:35 AM
>koukinobaaba さん
スパム対策のため、英数字のみのトラックバックは拒否の設定をしてありますが、あとはフリーです。よろしかったら、再度お試し下さい。他のブログサービスですが、トラックバックができるときとできないときがありました。

IMDbバナーも、Goo映画のバナーも、使用許可は得ていませんが、問題はないだろうと考えています。
Comment by まいじょ @ 2006/08/17 1:09 PM
「まいじょ」さん、やっとトラックバックが送信できました。「英語はスパムとみなす」設定というヒントから自分の記事を検証した結果、概要を書き込んでいないことに気が付きました。おまけにトップは普通に表から見ると画像があるだけですが裏側はタグだらけなのです。つまり英語と数字の羅列でした。
これは今後トラックバックを拒否された場合にチェックすべき事柄だと肝に銘じました。有難うございます。
Comment by koukinobaaba @ 2006/08/18 7:57 PM
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