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4日目(4) ユニティ・テンプル

ユニティ・テンプル
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【出典】Unity Temple - Frank Lloyd Wright Foundation
1906-1908年

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外観
 鉄筋コンクリート打放し。オーギュスト・ペレのランシー教会(1923年)に先立ち、打放しとしては先駆的な例

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入口

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玄関
 入って右がユニティ・ハウス、左が礼拝堂
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ユニティ・ハウスの暖炉
 教会員のための社交・教育施設

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ユニティ・ハウスの東側
 左右対称のバルコニー(2階)は現在は託児所になっている

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ユニティ・ハウスの天井トップライト

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礼拝堂入口
 聖壇の脇を抜けて会衆席に入る

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聖壇

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同上

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礼拝堂の天井トップライト

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2階席
 四方の連続する天窓と天井のトップライトから光があふれ、空間の流動は高さの方向に向かう

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3階席

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同上

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ユニティ・テンプル、複数階平面図(3層を合成)

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Unity Temple - Frank Lloyd Wright Foundation
インテリア(再掲)
 この空間におけるモールディングや三色の面の塗り分けの効果について分析した富岡義人の指摘が面白い。
 重い屋根を支えているような表情は全くなく、むしろ上に向かって、前方に向かって伸びてゆくような感覚さえ生じてくる。平面に大きく記された構造体。確かにそこにあるのだが、目はそれを支えるものとして捉えることはない。なぜだろうか。
 これがモールディングの効果である。モールディングが一切ない場合の姿を想像してみれば、その効果の大きさに気づかれるだろう。古典主義の場合、モールディングというと、複雑な繰型がつけられることが一般的なのだが、ここで使われているのは単純な矩形断面のオークの棒である。この棒を枠状に組み上げ、様々な比例の矩形をつくって装飾としているのである。装飾というと、付け足しの、表面的な、見てくれだけの、という否定的印象で受け取られがちなのであるが、ライトの建物でそれは禁物である。確かに、物理的には、構造体の上に付け足されているだけのものではあるのだが、その装飾は、ライトの考えた「空間のありかた」を表現しているのである。単なるお化粧ではない。
 さて、注意して観察して見よう。まず気がつくのは、これらの矩形が、構造体の立体的な輪郭からずらされ、角や隅を回りこむように取り付けられていることである。立体のエッジに枠はない。枠のなかは単一色で塗られている。ブルークレーの地にグリーンの面、そしてさらにアイボリーの面、三色の面が、ずらされながら重ね合わされたかのように塗り分けられている。矩形のプロポーションも変化に富んでいる。細長いところは細長く、端部は正方形などを使ってしっかりと安定させる。楷書のような、ていねいな筆致である。
 さらに高さのずれがある。古典主義の場合、最も重要なモールディングは水平のコーニスで、これが建物を一周して揃うのが基本のお約束である。この作品の場合はそうではない。隅の柱に注目してみよう。手前の角を回りこんで、比較的大きな枠がある。青い面の上方にずらされ、上昇感が感じられる。また、奥に向かう遠近感も生まれる。この柱に正面と側面から、高さの異なるバルコニーが突き当たってくる。やすやすと枠のなかのアイボリーの面に突き当たって「終わり」である。これが、高さ方向の自由なずれを装飾的に成り立たせている手法である。
 おそらくライトに言わせれば、右のような理解は、古典主義に慣らされた表面的な解釈だということになるだろう。もう少し原理的な解釈を試みると、次のようになる。まず、構造体(物体)の輪郭が存在する。と同時に、空間の輪郭も同等のものとして存在する。空間の輪郭は、構造体の表面をなぞっていくように決まるのではない。空間と物体は、それぞれ独自の輪郭を主張しあう。だから、お互いに重なり合うところ、その相関線に沿って、モールディングが走る。構造体の出隅は相関線ではないので、モールディングは回らない。大きな空間は、入れ子状の輪郭を持っている。内側の色調はアイボリー、外側はグリーンである。先ほどのモールディングに区切られた内側の色調が転写される。この結果でき上がったのが、この室内の装飾である。
富岡義人『フランク・ロイド・ライト』pp48-50


 下の二つの平面図は、不思議なほど相似している。ライトは、日本建築からその特異な平面形やコンティニュイティー(空間の連続性)を学んだことは確かである。

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日光大猷院廟の権現造りの平面図
 【出典】ケヴィン・ニュート『フランク・ロイド・ライトと日本文化』

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ユニティ・テンプルの平面図
 【出典】同上

1905年4月、ライトの最初の日本訪問も終わりに近づいたころ、ライトは観光地として人気のあった日光に赴いており、谷川正己によって発見されたホテルの記録が、ライトが高級ホテルである日光金谷ホテルに4月23日から26日まで際材したことを示している。日光のおもな見所は、徳川将軍家康(1543-1616)とその孫家光(1604-1651)を権現、つまり神格化した精神として祭った有名な霊廟、東照宮(1634)と大猷院廟(1653)である。日光を訪れる多くの観光客同様、ライトもこれらの建物に強い印象をもったようである。しかしそれは東照宮の表面的な装飾のためではなく、その非常に特徴的な平面形によるものであった。(中略)日光を訪れた1カ月後、ライトと彼の妻はオーク・パークに戻っていた。そしてその3週間後に、地元のユニテリアン教会に雷が落ち、焼け落ちてしまったのである。(中略)ライトが9月初めに教会の委員会に説明した再建案の平面は、彼が数ヶ月前に日光で目にした権現造りと非常に酷似したものであった。
ケヴィン・ニュート『フランク・ロイド・ライトと日本文化』


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リーフレット

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