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森の墓地(スコーグスシュルコゴーデン)

 7 月30日、「森の墓地(スコーグスシュルコゴーデン)」を訪れた。ストックホルムの中心部から電車で約20分、Skogskyrkogården駅の目の前に墓地はある。設計:グンナール・アスプルンド、シーグルド・レヴェレンツ。建設:1915-40年。20世紀以降の建築作品としては初めて世界遺産に指定された。
 アスプルンドは、大学の近代建築史の授業で桐敷先生のスライドを見たり、卒業してから建築家のHさんのスライドで見たりして、ずっと憧れの建築家だったが、何せ北欧スウェーデン、そう簡単に行けるところではない。

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十字架の道
 ゆるやかな上り坂の上にある十字架に向かう道は、「十字架の道(Korsets väg)」と名付けられている。この道を歩くと、死によって森へ帰るという感覚が本当によくわかる。

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森の十字架(Photo by H.Mizumura)
 設計:アスプルンド(1939年)。花崗岩でできている。十字架は「生と死、そして生」という生命の循環のシンボルとして考えられている。
 Wikipediaによるとスコーグスシュルコゴーデン(とくに以下は「森の火葬場」について)の建築史上における主な意義は、以下の通り。
1. 20世紀前半の建築潮流が次々に変化した時期に設計されたにも関わらず、今日におよんでも古さを感じさせない時代を超越したデザインを確立したこと。
2. 単に効率よく葬儀や火葬を行うことができる機能的な解決にとどまらず、葬儀に参列する遺族の深層心理にまで踏み込んだ建築計画となっていること。
3. 北欧人にとって精神的な故郷といえる「森」へ還って行く人間の運命を、直感的に悟らせるような建築表現を実現したこと。
スコーグスシュルコゴーデン(Wikipedia)

 地下に設けられた「森の火葬場」には、地上に3つの礼拝堂、「信仰の礼拝堂(Trons kaell)」、「希望の礼拝堂 (Hoppets kapell)」、「聖十字架の礼拝堂 (Heliga korsets kapell)」 が併設されている。

 日曜日に実施されるガイドツアーに参加しなければ、閉ざされた礼拝堂の中には入れない。木曜日に訪れた私たちは建物内を観ることはできないだろうと諦めていた。だが、運良く親切な管理人さん(たぶん墓地の清掃や手入れをしている人)に出会って、少しだけ中を見せてもらうことができた。

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希望の礼拝堂の待合室
 設計:アスプルンド。壁と一体となった木製ベンチの曲線が何ともいえない。床のデザインも見事だ。
 待合室から礼拝堂に至る動線が一方通行に整理されていたり、火葬場の外では、火葬を済ませた遺族どうしが交錯しないように、壁で区切られた空間が作られているなど、遺族への配慮がデザインに具現化されている。

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聖十字架の礼拝堂の待合室

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待合室のテーブルとチェア
 テーブルの天板は大理石。エッジの表面だけ細かく凹凸が付けられている。
 木製椅子の座面はYチェア風にペーパーコードが張られている。丸みをつけた肘掛けが優雅だ。

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待合室の窓台
 天板は大理石。一面細かく凹凸がつけられているが、窪みのところだけ磨かれている。職人さんの技がすごい。

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待合室の窓から中庭をみる

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聖十字架の礼拝堂
 設計:アスプルンド。3つの礼拝堂の中で一番規模が大きい。

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「生ー死ー生」
 聖十字架の礼拝堂の正面の壁画は、Sven Erixson(1899-1970)の作。何とも不思議な生命力を感じさせる絵だ。

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棺の昇降口
 遺体の入った棺は、礼拝堂での葬儀のあと、そのまま地下の火葬場に降りていくしくみになっている。(他の礼拝堂も同様)
 青い作業着を着ている人が私たちを礼拝堂の中に入れてくれた親切な管理人さん。「アスプルンドの建築には、数が8つのものがたくさん組み合わされているんだよ。ここも8つ、ほらここも8つ」と解説してくれた。

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聖十字架の礼拝堂内部
 棺を囲むように、椅子が縦の列と横の列で配置されている。

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腰壁
 大理石でできている。笠木の形が面白い。

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聖十字架礼拝堂の復活像
まいじょ * 旅行 * 23:29 * comments(0) * trackbacks(0)

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