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スーパープレゼンテーション

 4月からNHK-Eで始まった「スーパープレゼンテーション」という番組が面白い。アメリカの有名なイベント「TEDカンファランス」におけるスピーチを教材として、プレゼンの方法を学ぶ語学・教養番組である。
TEDとは
TEDは、価値のあるアイデアを世に広めることを目的とするアメリカの非営利団体。1984年の設立当初は、「技術」「エンターテインメント」「デザイン」の3つの分野からスピーカーを集めて会議を行っていた。その後、あらゆる分野における最先端の人々が集まる場へと発展。TEDトークと呼ばれるプレゼンテーションの動画を世界に無料配信して注目を集めている。スピーカーのリストには著名人がずらりと並び、wikipediaの創設者ジミー・ウェールズ、amazonの経営者ジェフ・ベゾス、U2のボノ、精神科医のオリバー・サックスなどの名前が含まれている。現在は、1年に1回カリフォルニア州のロングビーチで行われる大会を中心に、世界各地に活動を広げている。


ジル・ボルティ・テイラーさん
ジル・ボルティ・テイラー博士

 23日の放送(29日深夜再放送)は、神経解剖学者のジル・ボルティ・テイラー博士の「脳卒中を語る」。彼女は、脳の実物を見せながら、右脳と左脳の機能の違いを解説する。右脳がイメージや感覚的な理解に優れている一方で、左脳は自意識や論理的思考、そして言語機能を司っている。

 彼女は、このことを証明するかのような壮絶な体験をする。1996年のある朝、テイラー博士は脳卒中に襲われる。左脳の血管が破裂し、徐々にその機能が失われていくのを、博士は科学者ならではの視点で観察する。救援を求めようとしても電話番号が思い出せない。名刺の束から取り出したものが、誰の名刺か分からない。書いてある電話番号を数字(言語)として認識できない。それでも、数字の画像を手がかりに1つ、1つ、番号を押していき、何とか同僚に電話することができた。しかし、言語機能が失われていたため言葉を話すことができず、動物のように吠えるしかなかった。

 一方、この時、左脳が機能不全になることにより、右脳が作り出す幸福感に満ちた世界を体験する。これを伝えるときの、楽しそうな表情がすばらしかった。その体験から、人間は右脳の世界をもっと探求すべきだとメッセージする。

 臨場感あふれるテイラーさんのスピーチを見て、話すときの顔の表情や身振り手振りがいかに大切か、そして難しいことを易しい言葉で伝えるためにはどれほど周到な準備が必要か、ということがよく分かった。

 「スーパープレゼンテーション」は、英語の勉強にもなるし、見せて伝える(Show and Tell)というプレゼンの極意を学ぶことができる好番組である。



 
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