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第十七捕虜収容所

 ビリー・ワイルダー監督は、戦争を描くにあたっても、派手な戦闘シーンや勇敢なヒーローが登場する映画ではなく、あえて捕虜を扱い、収容所という閉鎖的な空間を舞台としました。
 ワイルダーは、例によって、ナレーションを使ってこう言います。
捕虜を扱った映画がないのは不満だな

 第二次世界大戦中、ドイツの収容所には、主として米空軍の捕虜がたくさん収容されていました。
 主人公のウィリアム・ホールデンは、最初は憎まれ役として登場します。
第十七捕虜収容所
 仲間が収容所から脱走するのに成功するかどうかで賭けとなった時、多くが心情的に成功する方に賭けたのに対し、ただ一人冷静に失敗する方に賭けて、大勝ちしました。
 ホールデンは、収容所内で酒を密造して飲み屋をやったり、競馬ならぬネズミレースの胴元をやったりして儲けて、収容所内の通貨である煙草をたんまり貯め込んでいますが、自分は葉巻しか吸わないという嫌な男です。

 仲間の中にドイツ側に通じるスパイがいると分かった時、疑いはドイツ兵と何かと裏で取引しているホールデンにかかります。上のシーンは、全員の疑いの目が彼に集まったときのものです。
 主人公が本物のスパイを見つけ出すまでのスリルとサスペンスがこの映画の醍醐味でしょう。ここでは重要な小物がチェスの駒とだけ言っておきましょう。
 この映画のホールデン、本当にクレバーで、ニヒルで、格好いいです。最後に仲間と別れる時の決めゼリフ。
アホ面のお前たちとどこかでばったり会っても、そしらぬ顔でいような。


 現実の捕虜収容所がいかなるものであったか。小説などでソビエトの収容所の酷い様子を読んだり、アウシュビッツやビルケナウのユダヤ人収容所を見た経験がある私としては、いくら何でも収容所にこんなに自由や楽しみがあったはずはないと思うし、おかしいと思うシーンはいくつもあります。
 最初にこの映画を見たとき、どうもそのあたりが気になって、楽しむことができませんでした。でも、ワイルダーは戦争や収容所の中にさえ、人間の営みがあることを描きたかったのではないでしょうか。
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goo映画第十七捕虜収容所
1953年 アメリカ
監督:ビリー・ワイルダー
IMDbStalag 17
まいじょ * 映画 * 23:12 * comments(2) * trackbacks(1)

コメント

はじめまして、おじゃまします!

ビリー・ワイルダーはものすごくファンでほとんど観てますが、この「第17捕虜収容所」だけは受け付け難いのです。
多くの方が傑作だ!と書いていますが、このブログを読んだとき〜ああ、私と同じ感想をお持ちなんだ!〜と
うれしくなり思わずコメントさせていただきました。

一言でいうと捕虜たちの生活が“悠々”とし過ぎじゃありませんか?(笑)
彼らの会話を聞いていると酒場でヨタ話に花を咲かせてる
馴染みの酒飲み仲間っていう風情なんですよね。

ワイルダー関連ではないのですがジョン・ウエインの「エル・ドラド」もこんな感じで“のんび〜り”した銃撃戦の映画でした。
銃撃の合間・合間に酒飲んだり、女をくどいたり、ご飯たべたりするんです(笑)。

ご覧になりましたか?
Comment by viva jiji @ 2005/11/23 9:35 AM
viva jiji さん、ようこそ

ワイルダー作品という期待でみると不満が残ると思いますが、それでもワイルダー・タッチは随所に見られ、ヒール役から一躍ヒーローになるホールデンはやはりかっこいいと思います。

「エル・ドラド」は残念ながら観ていません。
Comment by まいじょ @ 2005/11/23 12:28 PM
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