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仙台 ジャズの街

 昨日(5月6日)の日経新聞夕刊文化面に「震災と音楽、渡辺貞夫さんに聞く」という記事が載っていた。渡辺貞夫さんは、3月末から東北各県を訪ねるライブツアーを予定していたが、中止を余儀なくされた。「東北はジャズが盛んで、ジャズファンが多い土地だ。」という。

仙台・定禅寺通り

 写真は、8年前、マンション建替えの調査のついでに、たまたま行った仙台の定禅寺通りででくわしたストリートジャズのフェスティバル。すごい人出で、仙台の街中にジャズが鳴り響いていた。そういえば20年ほど前、再開発の調査で仙台に行ったとき、市役所の人にジャズのライブハウスに連れて行ってもらった。観客の中から飛び入りで演奏に加わる人が現れたのにびっくりした。東北は本当にジャズが盛んなのだ。
渡辺さんが1990年代から何度も旅しているチベットにはこんな格言があるという。「痛みの度合いは喜びの深さを知るためにある」――。この格言の意味を「被災地の人たちとかみしめたい」と語った。



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震災と音楽、渡辺貞夫さんに聞く 演奏と共に歩む思い ジャズ、地域おこしの役割担う
2011/5/6付日本経済新聞 夕刊1663文字

 東日本大震災の後、多くの音楽家が被災地支援のメッセージを発し、自分たちに何ができるかを自問している。渡辺貞夫さん(78)はその一人。もどかしさを感じながら、未来へ歩む思いを新曲に込めたという世界的なサックス奏者に聞いた。

渡辺貞夫

 大震災の当日、都内の自宅にいた渡辺さん。3月末から予定していた東北各県を訪ねるライブツアーは中止を余儀なくされた。どんな音楽家も大災害には一人の人間として向き合わざるを得ない。震災直後、無力感に襲われたが、音楽の役割を自分自身で問い直し、純粋に音と向き合うことで少しずつ明かりが見えてきた。

 「すぐ現地に飛んでいってお手伝いができるわけではない。テレビで毎日、被災地の様子を見ながら、『どうしたらいいんだろう』と考えていた。何をしても集中できず、焦点が合わないような気持ちになっていた。それが、ピアノに向かって曲を作ると少し落ち着けた」

 出来上がったのは3つの新曲。タイトルにメッセージが込められている。「What I Should」には自分は何をすべきか、という自問。「Warm Days Ahead」と、「芽吹き」を意味する「Gemmation」には未来への希望を託した。いずれも根底には「共に歩んでいこう」という思いがある。「次に出すアルバムのタイトルも曲順ももう決まった。こんなに早く決まったことは今までなかった」。震災を機に音楽との向き合い方に大きな変化が生まれつつあるようだ。

 「4月に西日本から東京までツアーで回り、新曲も披露した。僕は普通、ステージでの演奏中、ほとんどしゃべりを挟まない。だけど今回は特別だった。お客さんに、震災以来、僕が感じていた何もできないもどかしさ、そして、新曲に込めた思いを打ち明けた。お客さんも僕の胸の内をくみ取ってくれたのではないか」

インドネシアの子供たちと共演した渡辺氏
インドネシアの子供たちと共演した渡辺氏(左)。子供たちの衣装は和服をイメージしている
 4月上旬にはゆかりの深いインドネシア・ジャカルタで、日本への支援イベントに参加した。

 「開催の10日前、以前から親しくしている現地の人から連絡があった。地元のテレビ局が僕に支援コンサートに参加してほしいと」。日本から遠く離れた地でも、日本支援の輪が広がっていることに心を打たれた。

 「主催者は、僕が2005年の愛知万博で披露したメッセージソング『シェア・ザ・ワールド』を演奏してほしいと伝えてきた。この曲は07年、ジャカルタのジャズフェスティバルでも100人の子供たちと一緒に歌った。今回は10人の子供たち、さらに10人の打楽器奏者とリズムセクションが加わった。子供たちは白とピンクの和風の衣装をまとってステージに登場し、日本への素直な共感が伝わってきた。僕自身まだ戸惑っているさなかだっただけに、いち早く彼らが励ましてくれて本当にありがたかった」

 ジャズは各地域に聴き手や演奏家のコミュニティーが存在し、地域おこしの役割も担ってきた。渡辺さんの地方への視線は常に優しい。ジャズが地域と共にあることをよく知っているからだ。東北地方には古くからの知人が多くいて、できるだけ早く東北に行って演奏したいと考えている。

 「東北はジャズが盛んで、ジャズファンが多い土地だ。今回、親しい人の家が津波に流されてしまい、僕にとっても身近な出来事だと感じている。一日も早く現地に入りたいけれど、精神的に立ち直っていない人もいる。時が来たら、いつでも行けるように準備はしておく。この受難はとても大きな打撃だが、日本人全体が、これからの生き方を見直すきっかけになればいい」

 渡辺さんが1990年代から何度も旅しているチベットにはこんな格言があるという。「痛みの度合いは喜びの深さを知るためにある」――。この格言の意味を「被災地の人たちとかみしめたい」と語った。

(文化部 多田明)

 わたなべ・さだお サックス奏者。1933年栃木県生まれ。18歳で上京、秋吉敏子らのグループに参加。62年、米バークリー音楽院に留学、65年に帰国し、音楽理論やボサノバ人気を広めるなど、日本ジャズ界をけん引してきた。今秋に、ニューヨーク録音の新作アルバムを発表予定。
まいじょ * 音楽 * 14:40 * comments(0) * trackbacks(0)

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