<< August 2017 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
<< ミラノ・スカラ座「アイーダ」 | main | ビューティフル・マインド >>

素数の魔力に囚われた人々

 昨年11月にNHKで放送された『素数の魔力に囚われた人々 〜リーマン予想・天才たちの150年の闘い〜』が面白かった。
素数階段とガウス

 2,3,5,7,11,13,17,19,23,……という素数の並びに何らかの規則性があるのではないか。昔から多くの数学者たちがこの謎に取り組んできたが、いまだに解明されていない。番組では、素数の並びの不思議さを、例えば素数階段のCGなどを使って、わかりやすく紹介していた。

 素数の不思議を感じさせるのが、オイラーが発見した次の数式である。
πの数式
 どうして、素数を元に計算する左辺と円周率の右辺が等号で結ばれるのかわからない。素数と宇宙とに何らかの関係があるのではないかと、神秘的なものを予感させる。

 数学史上最も難しい問題といわれるのが「ゼータ関数の非自明なゼロ点はすべて一直線上にあるはずだ」というリーマン予想(1859年)であるが、これこそ素数の規則の解明のための最大の鍵である。この150年間、本当に天才的な数学者たちがリーマン予想に取り組んできたが、その中には壮絶な研究のために心身を傷つけた人もいるし、また謎の死をとげた人もいる。
ジョン・ナッシュ博士
 映画「ビューティフル・マインド」のモデルとなったジョン・ナッシュ博士は、プリンストン大学に推薦されるとき指導教官が書いた推薦状には「この男は天才である」とだけ書かれていたという。それほどの天才が、リーマン予想と格闘するうちに統合失調症になってしまった。ナッシュは、今となって、次のようにふりかえる。
「私はリーマン予想は正しさを証明するのが難しいわけではなく、そもそも正しいか正しくないのかの判定さえできないと考えております。講演の時にはすでに正気を失っていたのでしょう。あの直後から、私は明らかに精神に異常をきたしました。数学の研究には、自身の心の内面をつきつめることが要求されます。ある時には論理的に考え、別の時には非論理的に考えることが要求されます。そうした複雑な思考が精神的な問題につながったのでしょう。」


 番組では、インターネットを通じた電子取引や軍事情報の保護に150桁を超えるような巨大な素数を使った暗号になっていることが紹介される。素数の謎が解明されていないことが、われわれの社会の安全につながっている側面もあるらしい。次のようなジョークがあるらしい。

もうすでにNSAに所属している天才数学者がリーマン予想も素数の謎も解いてしまっているのだが、通信の安全性を保つためそれを秘密にしている、と。
ハイビジョン特集 2009/11/21 90分
素数の魔力に囚われた人々 〜リーマン予想・天才たちの150年の闘い〜
皆さんは、素数と呼ばれる“数字たち”をご存じだろうか。2,3,5,7,11,13,17,19,23,29・・・・・。1とそれ自身でしか割りきれない数。数の原子と呼ばれる存在。数学者たちは、「素数の並び方の規則」を求めようと、何百年にもわたって格闘してきた。ランダムにしか見えないこの並びこそ、この大宇宙を想像した「創造主の意志」が秘められている“暗号”に違いないと信じて...。
この番組は、数学者たちがなぜ素数を創造主の“暗号”だと考えるようになったのか、その不思議な発見の歴史を辿る。そして、ついに素数の並びの規則の解明に肉薄しはじめた現代数学の最先端、「素数と宇宙法則の奇妙な関係」を、CG合成映像を駆使して解き明かしていく。人類史上最大の挑戦「素数=創造主の暗号」解明への道。素数研究の最先端に立つ世界の数学者たちの証言を集大成し、さらにめくるめくCG合成映像を駆使して描く、スリルとサスペンスたっぷりの異色謎解きドキュメント。これまで見たことも想像したこともないような天才たちの頭脳の内部、そしてロマン溢れる深遠なる宇宙の真理へと誘う。

NHKスペシャル 2009/11/15 50分
魔性の難問 〜リーマン予想・天才たちの闘い〜
数学史上最難関の難問と恐れられ、今年問題発表からちょうど150年を迎えたのが「リーマン予想」である。数学の世界の最も基本的な数「素数」。数学界最大の謎となっているのが、2,3,5,7,11,13,17,19,23・・・と「一見無秩序でバラバラな数列にしか見えない素数が、どのような規則で現れるか」だ。数学者たちは、素数の並びの背後に「何か特別な意味や調和が有るはずだ」と考えて来た。「リーマン予想」は、素数の規則の解明のための最大の鍵である。最近の研究では、素数の規則が明らかにされれば、宇宙を司る全ての物理法則が自ずと明らかになるかもしれないという。一方、この「リーマン予想」が解かれれば私たちの社会がとんでもない影響を受ける危険があることはあまり知られていない。クレジットカード番号や口座番号を暗号化する通信の安全性は、「素数の規則が明らかにならない事」を前提に構築されてきたからだ。
番組では、「創造主の暗号」と言われる素数の謎をCGや合成映像を駆使して分かりやすく紹介し、素数の謎に挑んでは敗れてきた天才たちの奇想天外なドラマをたどる。


まいじょ * ドキュメンタリー * 23:35 * comments(2) * trackbacks(0)

コメント

 上記文中の
数学界最大の謎となっているのが、2,3,5,7,11,13,17,19,23・・・と「一見無秩序でバラバラな数列にしか見えない素数が、どのような規則で現れるか」だ。
について
その規則が見つかりました。
10/10に本を出版しブログにも書きましたのでご一読いただければ幸甚です。
菅野正人
Comment by 菅野正人 @ 2014/12/05 11:15 AM
ブログのURLを書き忘れました。申し訳ありません。

 上記文中の
数学界最大の謎となっているのが、2,3,5,7,11,13,17,19,23・・・と「一見無秩序でバラバラな数列にしか見えない素数が、どのような規則で現れるか」だ。
について
その規則が見つかりました。
10/10に本を出版しブログにも書きましたのでご一読いただければ幸甚です。
http://blog.livedoor.jp/art32sosuu/archives/17792260.html

菅野正人
Comment by 菅野正人 @ 2014/12/05 12:32 PM
コメントする









トラックバック

このページの先頭へ