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ボリショイ・オペラ「スペードの女王」

 6月21日、ボリショイ・オペラの来日公演、チャイコフスキー 「スペードの女王」 (NHKホール)を観てきた。

スペードの女王

 いやはや、本当に素晴らしかった。まず、オケの音がいい。チャイコフスキーの甘くせつないメロディを上品に奏で、本物のロシアの音が聞けた。ボリショイのオケは3チームくらいあるらしいが、その中から、プレトニョフが「スペードの女王」の指揮を引き受けるにあたって厳選したメンバーを中心に今回の来日メンバーが決まったようだ。

 NHKホールの2階席は、今回の「スペードの女王」を観るにはベスト・ポジションだった。舞台に設けられたブリッジで歌われる場面が多かったのと、プレトニョフの全体に気を配った細かな指示がよく見えたからだ。

 プレトニョフは、ピアニストとしてしか知らなかったが、ソ連崩壊以降、ロシア・ナショナル管弦楽団の結成に関与し、指揮者としても活躍しているらしい。オペラの指揮は「スペードの女王」が初めてというが、それが信じられないくらい、歌とオケをぴったりと合わせていた。

 ソリストでは、ゲルマン役のガルージンが素晴らしかった。悶々とする役なので、テノールとしてはやや低めの音域が多い演目だが、ドラマッティックなところとリリックなところの両方をうまく使い分け、多面的・分裂症的な主人公を上手に演じていた。身分違いで高値の華のリーザをものにしたいという純粋な思いと、一攫千金をねらいどんな手をつかってもカード賭博に勝ちたいという狂気と、この二つが一人の男に同居していたことに、まったく不自然な感じがしなかった。

 伯爵夫人のオブラスツォーワも圧倒的な存在感だった。死ぬ直前の昔を思い出すアリアなど、寒気がするくらい、魅きこまれた。歌う場面は少なかったが、演技だけの登場場面が多い今回のプロダクションでは、彼女が「要」であることがよくわかった。

 カーテンコールではなぜか涙が止まらなかった。ありがとう。

【スタッフ】
演出 : ワレリー・フォーキン
指揮 : ミハイル・プレトニョフ
【キャスト】
ゲルマン : ウラディミール・ガルージン
トムスキー伯爵(ゲルマンの友人) : ボリス・スタツェンコ
エレツキー公爵(リーザの婚約者) : ワシリー・ラデューク
伯爵夫人(リーザの祖母) : エレーナ・オブラスツォーワ
リーザ(伯爵夫人の孫娘) : エレーナ・ポポフスカヤ

【参考】


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