<< October 2017 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
<< 贋作・罪と罰 | main | ブルガーコフ「巨匠とマルガリータ」 >>

新国立劇場「アイーダ」

3月16日の日曜日、新国立劇場開場10周年記念公演「アイーダを観てきた。これまで私が観たり聴いたりしてきたものの中で、とにかく最高のパフォーマンスだった。
アイーダちらし
100年以上も前に、エジプトがオペラ劇場をつくった時に、ヴェルディに依頼して作ったのが、この「アイーダ」である。そして、10年前、日本で初めてのオペラ劇場として新国立劇場が初台にオープンしたとき、ゼッフィレッリに演出・美術・衣装を委嘱し、新劇場の持てる装置や技術を総動員してできたがこの「アイーダ」であり、今回はその再々演である。グラントペラというのだろうか、こんなに素晴らしいスペクタクルは他にみたことがない。本物の馬が2頭登場したり、合唱団やバレエ団にエキストラを加えるとおそらく200人以上が舞台にのぼる。アイーダトランペット10台で、ド派手な「凱旋行進曲」が演奏される第2幕は圧巻だった。

10年前、ゼッフィレッリ自らが演出した時の公演はいまや伝説となっているが、今回の公演をみて、この10年間で日本のオペラの実力は確実についてきたと思う。アモナズロをやった堀内康雄など、けっして外国人にひけをとらない。海外の歌劇場の引越し公演に何万も払うより、新国立劇場の方がはるかに価値があると思う。

ゼッフィレッリは、建築を学んだ後、ルキノ・ビスコンティの助監督として映画界に入り、自らも映画「ロミオとジュリエット」(1968)の監督をしたり、ミラノ・スカラ座やニューヨーク・メトロポリタン歌劇場など欧米の一流の劇場でオペラの演出にあたってきたという。その技術を見事に吸収し再現した日本人スタッフの実力も大したものだ。また5年後に再演されるのだろうか。

新聞によると、福田首相も16日の公演を観に来ていたという。そういえば、現役時代の小泉元首相もよくオペラを観に来ていたが、10日の公演にも来ていたらしい。忙しい人ほど、そういう心のゆとりが必要なのだと思う。

劇場の天使
「今時、世界中を探しても、こんなに贅沢な「アイーダ」を上演している歌劇場はないだろう。METやスカラ座が豪華に上演していたとしても、少ない客席数の新国立劇場の方が、観客ひとりあたりの出演者数では勝っているはずである。」

藤本真由オフィシャルブログ
「これが単なるキンキラキンのハリボテ風だったら、「そりゃあ富たってこんな悪趣味なものしかないなら虚しいわな」と、愛の選択を素直に認めてしまえるけれども、そうではない。そこにあるのは、この世に存在する中でおそらく最上級の部類に入る美であって、でも、そのような美よりもさらに崇高な愛があるのだと示される。」

-------------------------------
2008年3月16日(日)14:00開演
【指 揮】リッカルド・フリッツァ
【演出・美術・衣裳】フランコ・ゼッフィレッリ
【再演演出】粟國 淳
【照 明】奥畑 康夫
【振 付】石井 清子
【舞台監督】大仁田 雅彦
【芸術監督】若杉 弘

【アイーダ】ノルマ・ファンティーニ
【ラダメス】マルコ・ベルティ
【アムネリス】マリアンナ・タラソワ
【アモナズロ】堀内 康雄
【ランフィス】アルチュン・コチニアン
【エジプト国王】斉木 健詞
【伝令】布施 雅也
【巫女】渡辺 玲美

【合唱指揮】三澤 洋史
【合 唱】新国立劇場合唱団
【バレエ】東京シティ・バレエ団
【児童バレエ】ティアラこうとう・ジュニアバレエ団
【管弦楽】東京交響楽団
-------------------------------


JUGEMテーマ:音楽
まいじょ * オペラ * 12:24 * comments(1) * trackbacks(4)

コメント

未だオペラデビューは出来ていないのですが、来週、カラヤン・フィルム・フェスティバルの1作品、オペラ『ラ・ボエーム』を観ます。
カラヤンの指揮も見たかったし、『ラ・ボエーム』もいつか観れたらいいなぁと思ってたのが叶います。演出がフランコ・ゼッフィレッリです。
まいじょさんのアイーダのレビューを読んでますます楽しみになってきました。
ただ、観る力がないのでちょっと不安です。素直に観るしかないのですが…
作品のストーリーは知っていますが、何か、観る際の要点みたいなのはあるのでしょうか。

Comment by COO @ 2008/04/01 11:07 PM
コメントする









トラックバック

エジプトの歴史と考古学と古代芸術

エジプトの魅力は、ピラミッドやスフィンクスだけではありません。古代エジプト美術は、神々の崇拝や宇宙創造神話、死後の世界への信仰を特徴とします。ファラオ(王)は神の代理人であり、エジプトの古代芸術はそのファラオの政治権力の保護を受けて発展したことから、政
From エジプトの歴史と考古学と古代芸術 @ 2008/03/20 10:23 AM

カラヤンの「アイーダ」旧盤

カラヤンの「アイーダ」ではなく、ヴェルディの「アイーダ」としては、この旧録音の方が好ましいだろう。
From クラシック音楽ぶった斬り @ 2008/03/27 1:13 AM

カラヤンの「アイーダ」新盤

これは、このオペラの楽しさを満喫することのできる名演奏であり、カラヤンの指揮したオペラ全曲録音の中でも、ひときわ傑出したものだ。
From クラシック音楽ぶった斬り @ 2008/03/27 1:39 AM

ヴェルディ「アイーダ」

<新国立劇場開場10周年記念特別公演> 2008年3月29日(土)14:00/新国立劇場 指揮/リッカルド・フリッツァ 東京交響楽団 新国立劇場合唱団 演出・美術・衣裳/フランコ・ゼッフィレッリ 再演演出/粟國淳 照明/奥畑康夫 振付/石井清子 東京シティ・バレエ団 テ
From オペラの夜 @ 2008/04/01 12:38 PM
このページの先頭へ